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記事2006年11月23日 2049号 (7面) 
新校長インタビュー (138) ―― 駒込中学・高等学校
校長 河合 孝允氏
一隅照らす人間育成
命の大切さ感謝する心を


 「国際社会の時代に大切なことは、自国の伝統・文化・芸術を国際社会に向かって発信し、交流していける生徒を力強く育成していくことです」
 こう語るのは、駒込中学・高等学校(東京都文京区)の河合孝允校長だ。
 同校は「一隅を照らす人間の育成」を建学の理念とする。
 河合校長は「この言葉には、どのような困難な状況の下でも一隅を守り、大切な教えを千里に照らす人間が国の宝である、という意味がベースに含まれています」と述べ、同時に「慈悲の光を広く他に与えることのできる人間に育ってほしい、というメッセージを持っています」と話す。
 高校一年、二泊三日で行われる「比叡山研修」は、心を育てるための研修だ。この研修では、命の大切さ、感謝する心の大切さを学ぶ。早朝座禅や、深夜二時に起床して約三十`の回峰行などを体験する。後に生徒たちは「すごく強くなったと思った」「友達と喜び合った」などの感想を寄せている。
 「自分の痛みや悲しみは、ほかの人も持っているのだと気付いたときに、親友ができるのです。単に楽しければいいというものではないのです」
 同校は心を育て、個性を引き出しながら大学受験に備える中高一貫教育を行っている。
 「心を育てる教育と受験指導は矛盾させません。学力の到達度は心の幅と努力に比例します。本校は、豊かな心を育てながら努力する生徒をしっかり励まし、正当に評価していきます」
 高校一年の一学期に「職業を聞く会」を開催する。さまざまな職業に就いている人を招き、その職業に就くために必要なことや、実際に行っている内容を聞く。これは、職業に対する視野を広げるとともに、将来の夢を明確にするきっかけとすることで、学習意欲を喚起するためだ。
 平成十五年に竣工した新校舎は、「生徒が二十四時間居たくなる空間」をコンセプトに、生徒のやる気を引き出している。
 「本校に入学してよかったといえる学園生活を送ってもらいたいと思います。自分自身にいつも暖かな気持ちを持って、頑張ってもらいたいと思います」と河合校長は温かい目で見守っている。

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