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記事2006年10月23日 2043号 (1面) 
個人情報保護の取り組み状況調査 中高連が実態調査
高校では対策済みが約9割
離席時の情報媒体放置禁止も
 全国の私立中学高校における個人情報保護の取り組み状況が十月十一日、日本私立中学高等学校連合会(田村哲夫会長)の調べで明らかになった。この調査は、毎年実施している「実態調査」の一項目として実施、私立中学高校の入学状況などとともに中間報告としてまとめられたもの。個人情報保護に関する調査対象高校は一千三百二十三校、うち一千三百十九校が回答。
 中間報告によると、生徒等に関する個人情報の保護について「何らかの具体的対策をとっている」とした学校は、全体の八四・五%(複数回答、以下同様)、また「具体的対策を構築中」と答えた学校が一一・三%あり、全体の九六%の高校で対策が講じられ、あるいは講じられつつあることがわかった。残りの四・二%の学校は「具体的対策をとっていない」(検討中を含む)と回答した。
 高校で取られていた具体的対応策のうち、組織的対策に関しては「個人データの目的外利用・第三者提供等に際してその旨を明示し、生徒や保護者から同意(を得ている)」が最も多く五八・一%、次いで「個人データの利用目的を紙媒体(学校案内・入試要項等)に明示が五一・一%、そのほか「業務委託先に対し監督やチェック」を行っていた高校が一六・五%あった。
 人的対策に関しては、「教職員に対し法令や守秘義務を周知」を実施していた高校が七〇・二%あり最も多かった。
 物理的対策に関しては、五四・四%の高校で「パソコンのパスワード管理」を実施、四五・六%の高校で連絡名簿等の作成・取り扱いに際して規制を行っていた。また四四・八%の高校では不要となった個人情報の確実な廃棄を実施、三四・九%の学校ではノートパソコン・記録媒体等の持ち出しを制限していた。このほか離席時に情報媒体等の放置を禁止していた高校が一九・九%、個人データ保管エリアへの入退室を管理していた高校も一五・四%あった。
 技術的対策では、ウイルス感染防止策を導入していた高校が六七・一%、不正侵入を防ぐシステムを導入していた高校が五六・六%。個人データを暗号化している高校も三・一%あった。校数は少ないが、プライバシーマークやISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証を取得していた高校もあった。
 一方、中学校の取り組みは高校と同様な傾向だが、全般的に高校を上回り熱心な取り組みが行われていた。中学校の調査対象は六百九十九校。そのうち六百九十六校から回答を得た。
 生徒等の個人情報の保護について何らかの具体的対策を講じている中学校は八八・五%、対策を構築中とした中学校は八・八%、具体的対策を、検討を含め行っていないと答えた中学校は三・〇%だった。

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