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記事2006年10月23日 2043号 (7面) 
千葉と広島私学が振興大会
千葉県私学振興大会
私学助成全国平均額の実現
保護者の経済的負担軽減を要請
 平成十八年度千葉県私学振興大会が十月十四日、千葉市美浜区の幕張メッセ国際会議場に県内私立中学高校の理事長・校長や保護者ら約千八百人が詰めかけ開かれた。大会には堂本暁子知事も出席、立ち見が出るほどの熱気の中で私学関係者らは、保護者の経済的負担の軽減に向け私学助成の全国平均額の確保や、学費の公私間格差是正による公私の共存共栄など三項目の実現を知事らに強く要請、知事の発言に注目が集まったが、知事からは県財政の窮状を理由に、私学助成の全国平均額実現について具体的な言及はなかった。

 この日は、堂本知事のほか、笹生定夫県議会議長、県選出国会議員、県議会議員が超党派で約五十人(代理含め)出席した。大会は、社団法人千葉県私立中学高等学校協会、千葉県私立小学校協会、千葉県私立小・中・高等学校保護者会連合会が主催、千葉県私学団体連合会など私学五団体が協賛、日本私立中学高等学校連合会、日本私立小学校中学校高等学校保護者会連合会が後援した。
 千葉県の私立学校に対する経常費助成は、高校(全日制・定時制)の場合、今年度は生徒一人当たり二十九万一千四百六十円で、全国平均額を約三万円下回る実質、全国最下位の状況。
 それだけに大会の冒頭、私学や私学の保護者の苦況を訴えた藤田慶治・千葉県私中高協会長は、助成金が全国最下位に加えて、授業料など納付金が公立高校と五・五倍も開いていることから、簡単には上げにくい状況にあること、就学人口の減少に合わせてさらなる公立学校の定員の削減が必要なことなどを強調、知事に私学振興への一層の理解を要請した。また千葉県私学保護者会の堀越優会長も、生徒一人当たりの公費支出額は、公立高校が百万円を超えているのに対して私立高校は二十九万円に過ぎないこと、私学に子供を通わせているのは経済的ゆとりからではなく、苦しい家計状況から実際、私学への進学を断念、あるいは進学しながらも中途退学する生徒が少なくないことなどを指摘、私学助成の全国平均額の速やかな実現を知事らに迫った。
 こうした私学関係者らの苦しい訴えを受けて登壇した堂本知事の発言に会場の関心が集まったが、知事は過去の投資など、負の遺産≠ェ県財政を圧迫し、税収は増えたものの、それを上回る地方交付税の削減から、県財政にゆとりはないことを説明したうえで、「できる範囲内で、私学助成の充実に精一杯努力したい」と述べるにとどまった。
 こうした知事の発言に千葉県議会の河上茂議員(自由民主党千葉県私学振興議員連盟会長)も、昨年の私学振興大会終了後に私学協会の代表と知事が懇談したことから、今年度の私学予算に期待をかけていたものの、結局、期待は空振りに終わったことを明らかにするとともに、県の財政が厳しいのは千葉県だけではないことから、私学助成の増額にはいろいろ知恵を出して取り組む必要性を強調、知事に一層の努力を求めた。

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