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記事2006年1月23日 2010号 (7面) 
新校長インタビュー (128) ―― 日本学園中学・高等学校
校長 谷川 平夫氏
基礎学力重視の教育
創造性、理解、行動力が大切


 「私の考えていることは、お預かりした生徒たちが幸せな人生をつかむには、何をしたらよいかという基本的なことです。幸せな人間は自ずから、社会に感謝する気持ちを抱くようになると思います」
 日本学園中学・高等学校(東京都世田谷区)の谷川平夫氏は、昨年十月に校長に就任した。
 「生徒たちが活躍する十年後、二十年後の社会は、いかに創造性のある知恵を出すことができ、それを実践できるかが各人の能力評価の基準としてさらに重視されるようになる」と指摘、それを踏まえて、谷川校長は「日本の社会がどのようになっても、それに対応できる、将来大きく羽ばたけるように基礎学力の修得を重視し、生徒一人ひとりが内に持った創造性を伸ばす教育に取り組んでいきたい」と抱負を語る。
 「公私立の教育はそれぞれ役割分担があると思いますが、それをあんパンに例えると、あんこの中核の部分は私学が担っていると思います。本来、教育とは画一性とは相反する部分があります。自由な発想、さまざまな考え、多様な人格など、個の魅力といった考え方は私学だからこそできる」と、私学教育の重要性を強調する。
 同校は明治の大教育学者、杉浦重剛氏が明治十八年設立した東京英語学校を前身とする。卒業生には吉田茂・元内閣総理大臣、日本画の横山大観、岩波書店創始者の岩波茂雄の各氏など、政・官・財のみならず芸術・文化で優れた業績を残す人材が輩出されている。「このように幅広い人材の輩出は、画一的な押し付けではなく、生徒の自主性を伸ばすことに主眼を置いたこと、そして成長過程にある生徒の人格と能力を信頼して慈愛ある態度で生徒に接したことで、人格的刺激を受けた生徒が発奮して自己研さんに励んだことが影響していると考えています」(谷川校長)。
 谷川校長は昭和三十四年に同校を巣立ち、大学卒業後は新聞社で海外特派員として多くの国と現場を取材し、また論説委員として活躍してきた。その体験から得た結論の一つが「若い人たちがこれからの時代をたくましく生きていくには、物事を理解する力、創造性、そして行動力(実践力)を身につけることが大切」と言う。

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