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記事2005年9月13日 1991号 (6面)
非接触式ICカードで多様な機能
かざすだけで迅速処理
学校法人東京聖徳学園(川並弘昭理事長)は、平成十八年四月から、聖徳大学大学院、聖徳大学、聖徳大学短期大学部の在る松戸キャンパスで非接触式ICカードによる統合キャンパスカードシステム「Seitoku Campus Card」=写真=を導入する。このカードは、学生証・教職員証と図書館カードおよび食堂・売店などで利用しているプリペイドカードを「学生証」(非接触式ICカード)に統合し、学内LANにも接続して多面的に活用し学生の利便性を図ろうというもの。来年四月の本格導入後も、順次さまざまな機能を加えていく予定だ。 使用される非接触式ICカードは、例えばJRのSuicaのように読み取り機とカードが無線でデータをやりとりするもので、交信距離は約十センチ、読み取り機に学生証(統合カード)をかざすだけで利用できる。財布などに入ったままでも読み取り可能だ。処理速度も速く、さまざまなサービスの提供が迅速になるとのこと。 既に、現在、先行試行として就業管理システムを稼働させ、教職員に発行した身分証明書カードを実際に運用している。就業管理システムは学内LANと接続しており、学生は教職員の在校・出勤状態がWEB上で確認できるようになった。 学生に対しても、今年の四月に松戸キャンパスの全学生に学生証としてICカードを発行した。いまは学生証および図書館での図書の貸し出しとしてだけだが、来年度からは、例えば、証明書発行機に学生証をかざせば、成績証明書・在学証明書・卒業見込証明書・学割などの各種証明書が自動的に発行され、同時に手数料もプリペイド機能により支払われる。発行にかかる時間は約一分半という。 学生証をプリペイドカードとして使う場合、あらかじめ入金しておく必要があるが、入金は学内に設置されるATMチャージ機で行う。 これにより学生証を学食や売店、コピー機利用時にそれぞれの読み取り機にかざせば数秒で支払いができるようになるため、順番待ちで長蛇の列となることはないとみている。 図書館での図書の貸し出しも学生証をカードリーダーにかざすだけとなる。学内の学生情報端末を使えば、検定試験や各種講座の申し込みと支払いが同時にできるようになる。 また、自宅のパソコンや携帯電話からも、休講・補講・教室変更、教員出校情報、出席情報、窓口案内などにアクセスできるほか、履修登録なども可能となる。 設置される端末機のうち学生が利用するものとしては、チャージ(入金)機、食堂オートレジ、学生情報端末、プリペイド対応コピー機、証明書発行機などが導入される予定だ。 セキュリティー対策も、ICカード(学生証)自体に偽造防止機能が備わっており、もし、学生証を紛失した場合は、すぐに届ければ再発行され、紛失学生証は無効となる。 またチャージした残金がある場合は再発行された学生証に引き継がれる。ネットワークのハード面では、学内の回線およびサーバーを二重化し、安全性を高める。 さらに、2009年の新一号館竣工に伴い入退管理システムが導入される予定で、教室や実験室、研究室、図書館などの入口に入退用カードリーダーが設置されることにより部外者の出入を制限することができる。 いずれは、学園全体の学生・生徒・児童・教職員に同カードの配布を検討しており非常勤講師や業者、生涯学習講座受講者などにもスタッフ証や入講証としてICカードの発行を行う予定だという。
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