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記事2005年8月13日 1989号 (2面) 
教員免許に有効期限
期限内に講習を更新の要件
【教員養成部会免許制度WG】
 教員免許の更新制度について検討している中央教育審議会教員養成部会の教員免許制度ワーキンググループ(主査=野村新・大分大学名誉教授)は八月五日、都内で会合を開き、教員免許に有効期限を設ける方針を固めた。期限内に一定以上の講習を受けることなどを更新の要件としている。免許の有効期限については初回が五年、以降十年ごととする案と、十年ごとに更新の二つのパターンを検討していて、今後詰める。九月下旬を目途に中間報告をまとめ、今秋答申する。
 教員免許の更新制は主にこれから教員となる人が対象。現職教員への適用は未定で、また私立学校の教員に対しての適用も議論されていない。免許状授与段階での教員の適格性を判定するため、大学に「教職課程委員会」(仮称)を設置し、教職課程の履修を通じて身に付けた資質能力全体を評価する。面接や論文審査、模擬授業なども判定材料に加える。適格性の判定基準は(1)使命感や責任感、教育的愛情(2)社会性や対人関係能力(3)幼児児童生徒理解(4)教科等の専門的知識・技能(5)教科等の指導力―の五項目を例示した。
 免許の有効期限は初回が、五年、二回目以降が十年ごととする案と、一律十年ごととする二つの案が挙がっている。更新の要件は大学が開設する講習会や大学の指導のもとに教育委員会が開設する講習を有効期限内に一定以上受講、修了することを想定している。
 更新要件を満たさなかった場合、免許状は失効となる。再授与の申請は可能だが所要の講習を受けなければならない。
 教員免許の更新制についてはこれまでも中教審で検討されてきたが、「免許授与の際に人物など教員としての適格性を全体として判断していない」「教員についてのみ任期制度を導入するなら公務員制度全体との調整を図ることが必要」などの理由から見送られてきた。だが指導力不足教員の増加、相次ぐ教員の不祥事を受け、文科相が昨秋、教員の資質向上策として中教審に再び諮問したことにより、更新制は現実味を帯びてきた。

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