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記事2005年8月13日 1989号 (9面) 
新校長インタビュー (122) ―― 武蔵高等学校・中学校
校長 山ア 元男氏
自調自考など三理想
将来を見据えた教育重視
 武蔵高等学校・中学校(山ア元男校長、東京都練馬区)は、(1)世界のさまざまな文化を理解してそれらの融合をめざそう(2)世界に雄飛するにたる人物になろう(3)自分で調べ自分で考える力を持とう(自調自考)――この三理想を大正十一年開校当初から掲げている。
 この武蔵の三理想≠ヘ、個性的な教育内容として具体化されている。
 同校では中学三年からすでに第二外国語の授業(ドイツ語・フランス語・中国語・韓国朝鮮語)が選択でき、高校ではそれぞれの外国語の中級・上級コースを選択できる。上級コースの選択者の希望者には国外研修制度も整っている。十数人の生徒が約二カ月間ホームステイし、提携校に通学する。提携校はイギリスのイートンカレッジをはじめ、六カ国に及んでいる。
 「このような国外研修制度は珍しいと思います」と山ア校長。
 また、「自調自考」は日ごろの教育活動での心構えとして常に強調されているが、生徒が疑問を持ったらすぐ教えるのではなく、どのように答えを導き出させるかに重点を置いた教育を行っている。
 国語の古典は原典(写本)に触れさせ、理科は野外実習・観察や実験を多く取り入れている。また、数学は独自の教科書を使用し、論理的思考を養うとともに数学の面白さを学ばせるようにしている。「中学高校という多感な時期を充実した六年間にさせることが大事」(山ア校長)という考えのもとに、学校説明会では入試科目はもちろん、保健体育や芸術などの教科でもその基本的な取り組みや狙いをしっかり説明することにしている。
 山ア校長は平成六年から八年まで、日本語教師としてイギリスの名門イートンカレッジで教えていた経験を持つ。また、国語の教師として二十八年目になるが、現在でも週一回、中学一年生の国語の授業を担当している。
 「これをやりたいと思って入ってくる生徒は伸びますし、入学後、やりたいことを発見した生徒も伸びます。大学への合格数が大事なのではなく、その生徒が希望する大学に進学したかということが重要だと思います」
 同校は大学進学ばかりではなく、その生徒の将来を見据えた教育を目指している。

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