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記事2005年7月3日 1983号 (1面) 
中教審教員養成部会が私学団体等に意見聴取
学部段階で教員養成充実を
免許更新制は賛否両論
更新には客観的基準と人物評価必要
中央教育審議会教員養成部会(部会長=梶田叡一・兵庫教育大学長)は六月十七、二十三の両日、都内で会合を開き、同部会のワーキンググループで議論している教員免許の更新制と教員養成の専門職大学院(=教職大学院)構想について、日本私立中学高等学校連合会など五つの私学団体を含む、教育委員会関係、組合、経済界など計二十七団体からヒアリングを行った。私学五団体からの見解は、免許更新制の導入については賛否意見が割れ、専門職大学院については、大学学部段階での教員養成課程の見直しを求める意見が相次いだ。=2面に関係記事

 ヒアリングで意見を述べた私学団体は全日本私立幼稚園連合会(三浦貞子会長、全日私幼連)、日本私立小学校連合会(平野吉三会長、日私小連)、日本私立中学高等学校連合会(田村哲夫会長、中高連)、日本私立大学団体連合会(安西祐一郎会長、私大団体連)、日本私立短期大学協会(川並弘昭会長、日短協)の五団体。
 更新制導入の賛成意見としては、「自己研さんを促す意味で有効と考える。だが更新方法と判定者が重要」(日私小連)、「教育現場の問題を解決する有効な手段として一考に値する。更新に当たっては、明確で客観的な基準を設け、併せて総合的な人物評価も必要」(中高連)、「教員の適格性や専門性の維持向上に導入は一方策。免許状の継続保有希望者に、再授与の制度とは別に何らかの手だてが必要」(日短協)などとして、三団体は条件付きで更新制度の導入を認める立場を示した。
 逆に、反対姿勢を示した二団体の見解は、「私立幼稚園としては更新制の必要性は感じない。更新制が私学も対象となるならば、教育委員会に権限を限定することは容認できない」(全日私幼連)、「更新制は、教育の理解者を減少させる懸念があり、開放性堅持の立場から適当ではない」(私大団体連)などを理由に挙げている。
 一方、平成十九年度の開設を目指し検討している教職大学院については、意見を述べたすべての団体が、学部での養成課程の充実を求めた。
 意見では「全国に多数組織されるのであれば積極的に評価したい。学部における現在の養成の在り方、養成システム・資質等を総合的に検討すべき」(全日私幼連)、「上級教員を養成するなど有効な方策だが、並行して大学の教員養成課程の内容をさらに充実していくことが極めて重要」(日私小連)、「構想には一定の意義があるが開放性の原則は崩すべきではない。まず、大学学部段階での現行の教員養成の在り方の抜本的見直しが必要」(中高連)、「現行の学部・大学院における教員養成制度では、なぜ対応できないのか。上越教育、兵庫教育、鳴門教育の新構想教員養成大学院の実績の検証・評価が必要」(私大団体連)などと指摘している。

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