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記事2005年7月3日 1983号 (7面) 
新校長インタビュー (120) ―― 自由ヶ丘学園高等学校
校長 藤田 龍二氏
「信頼される人間」を校訓に
分別と継続がキーワード


自由ヶ丘学園高等学校(藤田龍二校長、東京都目黒区)は「人に親しまれ、信頼される人間になれ」を校訓に掲げ、藤田校長はこの校訓を具体化するために、「分別と継続」をキーワードとして挙げる。
 「『分別』は結局、人のせいにするなということです。『継続』は、やればできるということを体験するということを意味しています。生徒には自信を持たせたいのです」(藤田校長)
 一年を「自己発見」、二年を「自己充実(調査・研究)」、三年を「自己実現」と、それぞれ位置づけている。特に、一年では、中学で発見できなかった生徒の個性を見つけ伸ばし、基礎学力をつけさせることが大切となってくる。その個性を二年で充実させその延長線上に自らの進路目標を発見させる。さらに、三年で進路実現に向けてのより具体的指導を実践している。
 藤田校長は理事長を十五年間、理事を四十年間近く務めている。「学校そのものの成り立ちや体質はよく分かっています。保護者の立場もよく理解しています。その点で、本校はコミュニケーションがとれていると思います」と語る一方で、「これからは校長として実践者の立場になりますから、私自身も自己改革しなければならないと思っています」と引き締める。
 学校は社会とは無縁ではなくなっているし、社会が学校に入り込んでいるのが実情だ。私学は公立校との競合の問題も指摘する。藤田校長はヨーロッパや東南アジアなど各国の教育事情を視察した。そのうえで、「次世代を担う青少年の育成を考えた場合、日本の教育はこれでいいのか」という認識を持ったという。
 「教育の使命としての人間形成が考えられますが、高校の三年間を通して、高校生としてふさわしい考え方を生徒たちに身につけ、自信をつけさせてやりたい」と、基本的な考えを述べる。
 「進学率を高める学校、甲子園に行ける学校などいろいろな面でアピールする場合が考えられますが、本校は進学については選択肢の一つとして考えています。またできるだけ、早い段階から進絡について考えさせるようにしたい」
 今年で創立七十五周年を迎えた。同校は男子校を貫き、教育内容の点でさまざまな改革をしていく。今後は広報面でも「しっかりと本校を理解してもらう」方針だ。

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