こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2005年6月3日号二ュース >> VIEW

記事2005年6月3日 1979号 (11面) 
新校長インタビュー (118) ―― 京華商業高等学校
校長 大橋 充幸氏
生徒の個性を大切に
オンリーワン教育推進
「学力は当然つけてほしいのですが、高校三年間で、一つ一つのことを集中的に行い、それを継続する力を身につけてほしいと思っています」
 京華商業高等学校(東京都文京区)の大橋充幸校長は、生徒にこう言い続けている。
 商業高校はカリキュラムの関係で、英語・数学・国語などの基本教科の時間が普通科に比べて少ない一方で、商業科目にかける時間数は多い。一年次では共通カリキュラムでじっくり基礎学力を身につけ、二年次から生徒が希望する、ビジネス、情報処理、大学進学の三つのコースで専門知識の修得や、大学受験、資格取得に向けた勉強を開始する。
 平成十七年度入試で、同校から一橋大学に合格した生徒が現れた。情報処理コースに在籍し簿記検定(日本商工会議所主催)一級を取得しているが、「二年から頭角を現し、先生方も英語や国語などの教科についてバックアップをしたことがよかった」(大橋校長)。
 普通科高校出身者に比べ、商業の専門知識をすでに学んでいる利点を積極的に活用した。
 大学・短期大学への進学志望率も徐々に増加し、四〇%を超えた。就職率は一〇〇%を誇る。
 創立以来、商業教育を基本としながらも、生徒一人ひとりの個性を大切にする「オンリーワン教育」を進めてきた方針が、さまざまな面で着実に効果を上げている。
 「生徒たちが持つ潜在的な力を引き出し、社会に役に立つ有益な人物として社会に送り出すことこそ、本校の理念です」と強調する。「家庭、生徒、そして学校が常に連絡を取り合うことが大事です。生徒は学校で起こったことを家庭で報告できるようになってほしいと思います」
 「ようこそ校長室へ」と張り紙がしてある校長室は、常に開けてあるという。学校全体がオープンで、伸び伸びした雰囲気の印象を与えている。
 大学卒業後、母校の京華中学・高校に三十年間勤めた。京華学園には人一倍愛校心が強い。四十年間続けている柔道は五段の実力を持ち、仕事が落ちつくと、道場で部員の指導に当たっている。

記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞