こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2005年6月23日号二ュース >> VIEW

記事2005年6月23日 1982号 (1面) 
既存の機関補助見直し競争原理に基づく支援(政府骨太の方針2005)
奨学金制度更に推進
国と歩調合わせ地方歳出も抑制
政府は六月二十一日、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇五」(いわゆる骨太の方針)を閣議決定した。それによると平成十七・十八年度の二年間を重点強化期間と位置づけ、(1)小さくて効率的な政府(2)少子高齢化とグローバル化を乗り切る基盤(3)デフレ克服・経済の活性化で民需主導の経済成長の確実化――の三つの課題の実現を目指している。このうち十八年度予算については、十七年度に続いて歳出改革路線を堅持・強化するとしており、教育への支援については、高等教育の質的向上を図るため、機関に対する既存の支援策を見直し、国公私立を通じた競争原理に基づく支援への移行や、奨学金制度による意欲・能力のある個人への支援を一層推進する方針だ。

 このうち「小さくて効率的な政府」の実現のためには、昨年十一月の政府・与党合意などを踏まえ、三位一体の改革を確実に実現すること、税源移譲はおおむね三兆円規模を目指すこと、国庫補助負担金改革については、税源移譲に結びつく改革、地方の裁量度を高め自主性を大幅に拡大する改革を実施すること、そのため残された課題は十七年度秋までに結論を得るとしている。
 また税源移譲に関しては、十八年度税制改正で所得税から個人住民税への税源移譲を実施すること、地方交付税については、国の歳出の見直しと歩調を合わせて、地方歳出を見直し、抑制する改革を行う方針。
 ただし十八年度においては、地域で必要な行政課題に対しては適切に財源措置を行い、地方団体の安定的な財政運営に必要な地方交付税、地方税などの一般財源の総額を確保する、としている。
 また「少子高齢化とグローバル化を乗り切る」方策では、教育改革等を取り上げており、評価の充実、多様性の拡大、競争と選択の導入の観点をも重視して教育改革を進める方針。このうち義務教育に関しては、学校の外部評価の実施と結果の公表のためのガイドラインを十七年度中に策定するとともに、地域の実情に応じて学校選択制導入を促進し、全国的な普及を図る、としている。
 さらに十七年秋に学習指導要領見直しの基本的方向性をまとめ、教育における利用券制度について、その有効性や問題点を分析・検討、重点強化期間内に結論を得る、としている。このほか大学院における教育研究の質的向上、学校長への権限移譲など現場主義の徹底、教員養成・免許・採用制度の抜本的見直し・改善、金融を含む経済教育等の実践的教育とともに、学校での国際教育推進を図る方針だ。
記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞