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記事2005年6月13日 1980号 (1面) 
私立中学高校生徒数調査 4月10日現在 日私中高連
私立中生徒2.9%増加
高校生数は2.5%減
公立校魅力作りや教育費影響
日本私立中学高等学校連合会(田村哲夫会長=渋谷教育学園理事長)は、五月二十六日、今年四月十日現在で実施した私立中学・高校(中等教育学校を含む)の生徒数調査結果を明らかにした。それによると、前年度(文部科学省学校基本調査結果)に比べ、私立中学校では入学者数で一・七%、生徒数全体では二・九%それぞれ増えたものの、私立高校では入学者数で五・四%、生徒数で二・五%いずれも減少しており、生徒の確保が前年度に比べやや厳しかったことなどが分かった。

 この調査は文部科学省の学校基本調査結果(速報)が公表される前に、私立中学・高校等の生徒収容状況を把握、文部科学省等に対する予算要求や政策立案等の基礎資料としているもの。
 今年の調査結果によると、私立中学校に関しては、中高一貫教育への人気の高まりなどを背景に、入学者数は前年度より千四百三十八人(一・七%)増え、八万三千八百九人となった。四十七都道府県中の三十五都道府県で入学者数が増え、十二県では減少していた。
 このうち埼玉県では、入学者数が前年度に比べて四百三十二人増え、入学者の増加数全国一を記録した。反対に入学者数が減少した県は関東や四国、九州地域で多く見られた。私立中学校の生徒数は、前年度に比べて六千九百六十七人(二・九%)増え、二十四万五千百十七人と初の二十四万人台を記録した。四十七都道府県中四十都道府県で生徒数が増加、前年度に比べ生徒数が減少していた県は七県にとどまった。なかでも東京都では千四百九十二人、埼玉県では千六十八人と四けたの増加を見せ、神奈川県(六百五十二人増)、大阪府(四百九十四人増)、茨城県(三百五十人増)など十五県では三けたの増加となった。
 しかし前年度の増加ぶりと比べると、増加率は下がっており、学費が無償(高校段階は有償)の公立中高一貫教育校の拡大が、私立中高一貫教育校人気に少しずつ影響を与えているようだ。
 一方、私立高校に関しては、今年の入学者数は、前年度と比べ二万百五十七人、五・四%減少しており、入学者数は三十五万五千九百三十七人となった。うち定時制課程の生徒は千三百五十七人。通信制課程の生徒数は含まれていない。四十七都道府県中、四十都道府県で入学者数が減少、増加していたところは岩手、秋田、福井、滋賀、山口、徳島、高知の七県のみだった。前年度に比べて東京都では二千七百二十四人、大阪府では千五百二十四人減少、そのほか北海道、千葉県、神奈川県、静岡県で入学者の減少数は四けた台となった。
 私立高校等の生徒数総は、前年度に比べて二万七千七百四人、二・五%減少しており、生徒数は百六万六千二百九十五人だった。そのうち定時制課程の生徒数は三千九百三十九人。そのほか外数として専攻科の生徒が四千九百七十人、別科の生徒が三人を数える。生徒数は四十七都道府県中四十三都道府県で減少しており、出生数の低下による就学人口減少や公私立学校間の授業料格差などの影響を強く受ける状況だ。前年度に比べ生徒数が増加した県は、石川(五十人)、滋賀(六十一人)、徳島(四人)、鹿児島(百四十七人)のみ。

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