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記事2005年6月13日 1980号 (2面) 
新時代の大学院教育
課程制大学院制度など報告案論議
大学分科会
中央教育審議会大学分科会(会長=相澤益男・東京工業大学長)は五月十八日、都内で会合を開き、中教審大学院部会でまとめた「新時代の大学院教育に向けて国際的に魅力ある大学院教育の構築」の報告案について議論した。
 報告案では課程制大学院制度の確立や学位授与の円滑化などのほか、社会人などが大学院に在籍しないで論文審査を受けて博士の学位を得る、いわゆる「論文博士」を将来的に廃止することなどが盛り込まれている。
 会合で井村裕夫・京都大学名誉教授は「大学院教育が検討されたことは意義がある。(大学院改革は)一般の人の意識改革なしでは実現しないので、(文部科学省に)重点施策として誘導してほしい」などと評価と要請をした。
 安西祐一郎・慶應義塾長は「多様で優れた大学院について、オリジナリティーをどのように打ち出していくかを今後考えていただきたい」と述べ、「国公私の違いがどこにあるのかについて触れていかなければならない」などと強調した。
 一方、大学教育の在り方についても意見交換を行い、佐藤弘毅・目白学園理事長は「現在のファンディングシステムでは基盤経費は弱い。例えば私学助成は十年以上減少、もしくは据え置きが続いており、基盤部分がじり貧で質の高い教育ができるかについては不安を感じる」などと、財政面での充実を求めた。

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