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記事2005年5月23日 1977号 (2面)
大学院教育の在り方について議論していている中央教育審議会の大学院部会(部会長=中嶋嶺雄・国際教養大学理事長・学長)は五月十二日、都内の三田共用会議所で会合を開いた。社会人などが大学院に在籍しないで論文審査を受けて博士の学位を得る、いわゆる「論文博士」を将来的に廃止することなどを盛り込んだ中間報告案をまとめた。 平成十三年度に博士学位を受けた一万六千百八十三人のうち論文博士は五千七百五十六人で、全体の三六%を占めている。 この論文博士について、今回の「新時代の大学院教育の展開に向けて国際的に魅力ある大学院教育の構築」の中間報告案では、生涯学習体系への移行を図る観点から一定の意義があるとしながらも、諸外国の学位と比較して▽国際的にも、学位は大学での教育の課程を修了した者に対して知識・能力の証明として大学が授与するもの▽わが国の学位の国際的な通用制、信頼性の確保などの理由から、将来的に廃止する方向で検討すべきとしている。 現在も論文博士制度を前提に公的研究機関の研究所などで研究経験を積み、博士学位の取得を目指している人や、アジア諸国では自国で研究して、その成果を基に、日本の大学で博士学位の取得を目指している人も少なくない。 このような背景も踏まえ中間報告案では、論文博士と課程博士が並存してきた経緯を考慮し、大学が相当の研究経験を持っている社会人らには研究指導の要求に応えたり、博士課程短期在学コースの創設などといった学位取得のための制度設計も例示している。
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