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記事2005年4月3日 1973号 (8面) 
ユニーク教育 (141) ―― 日本音楽高等学校
音楽を基礎に芸術通して教育
愛、和、誠実を校訓に



 日本音楽高等学校(志賀平治校長、東京都品川区)は二月二十六日、同校の三浦記念ホールで平成十六年度卒業発表会を開催した。当日は、わが子の成長ぶりを見ようと保護者も多数集まった。同校の学園行事は芸術的雰囲気に包まれたものが多いが、この卒業発表会をはじめ、選抜演奏会、校内発表会など、成果を発表する場が多く用意されている。
 志賀校長は「皆さんはこの日のために発表のテーマを決めて練習してきました。今日は三年間努力してきた総仕上げの日、思い切って成果を出してほしい」と激励した。志賀校長のこの言葉に応えるかのように、生徒たちのこの日にかける思いは強烈だった。
 同校は校訓「愛」「和」「誠実」の下に、音楽を基礎とした「芸術を通しての教育」(Education Through Art)をスクールアイデンティティとして、@礼節を重んじ、社会性を備えた人間性豊かな人格を育てるA基礎学力を徹底し、課題発見と解決に果敢に取り組む能力を育てるB心身ともに健康で、奉仕の精神を進んで養う能力を育てる――人材を育成している。
 明治三十六年に日本で最初の私立女子音楽学校として創立された日本音楽学校の併設総合学園の一環として、日本音楽高等学校が昭和二十五年創立された。現在では、普通科(幼児教育コース)、音楽科(音楽コース、バレエコース)を擁している。
 普通科の生徒も音楽科の生徒も全員が芸術に親しむ三年間を過ごすが、発表会のような機会をできる限り多く設け、練習の成果を披露する喜びと緊張感を味わい、豊かな表現力を育てる方針だ。
 この卒業発表会では二科三コースの特徴をふんだんに発揮し、卒業生にとっては最も心に残る行事となっている。
 「幼児教育コースの部」では、「ハンドベル演奏」「幼児との交流」および「サウンドオブミュージックより」が披露された。とりわけ、幼児との交流で行われたディズニー・ワンダーマジック・メドレーでは、日本音楽学校附属幼稚園に通っている園児と幼児教育コースの生徒全員による共演で遊戯が行われた。園児たちは思いっきりお姉さんたちとの交流を楽しんでいた。そして、園児たちはお姉さんたちに向かって「頑張れ!」とエールを送っていた。
 「音楽の部」では、ソプラノ独唱、ピアノ独奏、フルート独奏が行われた。ソプラノ独唱では、歌劇「ボエーム」より「わたしの名前はミミ」(プッチーニ)、歌劇「夢遊病の女」より「ああ、信じられぬ」(ベッリーニ)、ピアノ独奏では即興曲作品九〇−二(シューベルト)、「アベックの名による変奏曲」(シューマン)などが発表された。
 音楽科は少人数制による理想的な教育環境で、一人ひとりの成長のためにきめ細かい指導を実践している。
 「バレエの部」では、第T部が全員による「BAROQUE」(作曲=パッヘルベル・バッハ・ヘンデルほか)を、第U部では「卒業パーティの宵に…」〜くるみ割り人形『お菓子の国』より〜(作曲=チャイコフスキー)が発表された。またスペインの踊り、アラビアの踊り、中国の踊り、蘆笛の踊り、金平糖の踊りが披露され、ステージいっぱいを使って繰り広げていた。
 バレエコースには全国から生徒が集まっており、一流の講師陣が情熱的に指導している。それに応えて、生徒たちも基礎を磨き、自分を鍛えた結果、バレエ界で活躍する卒業生も多数いる。



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