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記事2005年4月3日 1973号 (2面) 
私学審の委員構成 運営の公正性中立性に特に配慮
規制改革・民間開放計画改定を閣議決定
私学審構成員比率見直し趣旨の徹底
公私協力学校法人、総合施設を措置
政府は三月二十五日、平成十六年度から始まった「規制改革・民間開放推進3か年計画」の改定を閣議決定した。このうち教育分野では、私立学校審議会構成員比率の見直し趣旨の徹底、コミュニティ・スクールの更なる充実などが取り上げられ、それぞれ十七年度のできるだけ早くに措置、同年度以降継続的に実施すべきであるとされた。また「公私協力学校法人」方式による教育サービスの多様化についても今年中に措置すべきだと求めている。

 私立学校審議会については、その構成員比率などに関する規定が置かれていたが、この規定は各都道府県の私立学校行政を過度に規制しかねない可能性もあるとして、昨年、私立学校法から削除された。各都道府県の私立学校審議会の委員の改選に当たっては、地域の実情を踏まえつつ、委員の構成、運営の公正性・中立性に特に配慮するよう、各都道府県に周知徹底するとしている。さらに、私立学校審議会の運営の公正を図るため、委員名簿や議事概要などを各都道府県のホームページなどで公開するよう促すことを目的として、その公開の実態について調査を行い、結果を公表するとしている(十七年度以降継続的に実施)。
 コミュニティ・スクールの更なる充実については、その適切な運用に向けたフォロー・アップの一環として、学校運営協議会制度の活用状況に関する情報を公開することとしている。また、この制度導入の意義を踏まえ、運営についての第三者の評価の推進、学校運営協議会の運営状況や協議内容の地域住民や保護者などへの情報公開の徹底など、地域に開かれ、地域に支えられる学校をつくるための地方の主体的な取り組みについて、国もこれを促進するための方策を講じるとしている(十七年度以降継続的に実施)。
 文部科学省の提案による「公私協力学校法人」方式による公設民営学校についてはそのメリットを評価する一方で、この制度を導入する場合の留意事項として、(1)運営などに当たって「公私協力学校法人」に対して支出される公的資金はできるだけ効率的に、かつ私立学校間の公平性が確保されるように使われることが望ましい(2)その運営に当たり地方公共団体の政策意図が学校運営に適切に反映されると同時に、NPO法人などの自由な創意工夫とイニシアチブが最大限発揮される制度とすること――などを挙げている。
 教育バウチャー制度については、海外における事例の実態把握、その意義、問題点の分析などさまざまな観点から今後、十分な研究・検討を行うとしている(十七年度研究・検討開始)。
 学校の自己点検評価の実施・公表の義務化や、生徒や保護者、地域住民などによる外部評価のあり方については、授業内容および教員の質の評価を含めて、学校評価をより多面的に行う観点から検討し、速やかに結論を得るとしている(十七年度中に検討・結論)。
 大学、大学院および学部・学科の設置認可に関する審査方法については、教員審査に関する事例の紹介、専任教員の要件・目安の一層の明確化といった、申請者の取り組みに資する参考情報の提供などの措置を検討すべきだとしている(十七年度検討・結論)。申請者の意向を踏まえて、第一線で活躍する産業人などを参考人として委嘱し、その意見を審査の参考とする「参考人制度」の本格的な実施も求めている(十七年度検討・措置)。
 保育分野では、構造改革特区において実施されている幼保連携・一体化分野の施設はもちろん、幼稚園・保育所でも、その地域のニーズに応じ、スムーズに「総合施設」となれるような仕組みを構築するよう求めている(十八年度の本格実施までに措置)。

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