こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2005年4月23日号二ュース >> VIEW

記事2005年4月23日 1975号 (2面) 
納付金が52.3%前年度比13億増
私大連盟が財務状況調査
帰属収入二兆三千億
教育研究費が消費支出押し上げ
日本私立大学連盟(会長=安西祐一郎・慶應義塾塾長)はこのほど「加盟大学財務状況の概要平成十五年度実績」をまとめた。同連盟に加盟している大学の十五年度の帰属収入(学校法人の負債とならない収入)は、総額およそ二兆三千億円で、十四年度に比べ二百九十七億円増えた。逆に消費支出の総額は約二兆一千億円で百四十四億円の増加だった。
 調査は同連盟に加盟している百十法人が対象で、十五年度決算に関する「財務状況調査」に基づいて作成。ただ今回の調査時に医科大学法人が一つ退会し、文科系大学法人が一つ新規加盟したため、加盟法人増減の影響を排除し、調整した集計数値を算出した。
 それによると十五年度の帰属収入は総額二兆三千二百五十九億円で十四年度に比べ二百九十七億円増えている。帰属収入の内訳をみると最も高かったのが、学生生徒等納付金の一兆二千百六十四億で五二・三%を占めている。十四年度に比べると十三億円の増加となっている。
 次に帰属収入に占める割合が高いのは、事業収入(二七・六%)の総額六千四百二十四億円で、十四年度比、百七十七億円の増加。同会は事業収入について、産学官の連携事業が推進されているため将来に向け積極的な伸びが期待される、としている。
 三番目が補助金となっており、十四年度比、二十二億円の増額、帰属収入の九・九%を占めている。しかし、私立大学への補助金の主体である「私立大学等経常費補助金」は、私大全体の経常的経費に対する割合でみると十五年度は一二・一%(最高は昭和五十五年度二九・五%)で、十四年度に比べ○・一ポイントの減少だった。
 また「一般補助」の交付額は、十五年度は一千九百四十三億一千八百七十八万円にとどまり、十四年度より約三億五千万円減額している。
 納付金、事業収入、補助金の上位三項目が帰属収入に占める割合は八九・八%に達し、七三・四%(昭和五十一年度)、八二・六%(平成元年度)、八九・九%(平成十四年度)と、ここ数年はほぼ九割で推移している。
 同会では「入学検定料などの手数料や資産運用収入が低下を続け、補助金も国庫補助金、地方自治体からの補助金ともに縮小傾向にあるため、中・長期スパンで納付金、事業収入への依存を強めているとみられる」としている。
 一方、消費支出の総額は二兆千三百五十億円だった。十四年度より○・七%、百四十四億円の増額となっている。内訳では教育研究費の増加が「消費支出増加要因の過半を占めている」(同連盟)としている。

記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞