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記事2005年4月13日 1974号 (2面) 
情報専門系教育の質保証
評価指針の策定へ
私情協総会
私立大学情報教育協会(会長=戸高敏之・同志社大学工学部教授)は三月二十九日、東京・市ヶ谷の私学会館で第三十八回通常総会を開催した。今年度の新たな事業として、情報専門系教育の質を保証するためのガイドライン、評価指針を取りまとめるほか、産学官連携を強化して人材育成支援システムの策定を目指す。また総会では、昨年度に加盟大学教員を対象に実施した調査の中間報告結果を発表した。
 今年度事業計画では「情報教育・情報環境の調査」を継続事業としつつ、個人情報保護対策などについて調査を行う。緊急性の高いものについては速報し、十八年度中に最終結果を報告する。
 一方、新規事業では「世界水準を目指した情報専門系教育の研究」を掲げた。内容は情報専門系教育の教育内容、教育方法などについて国内外の企業関係者らの協力を得て、コア・カリキュラムや評価指針を策定し、世界に共通する教育の在り方を示す。
 ほかにも「産学官連携による教育支援システムの研究・実験」が新規事業となった。具体的には急増する大卒者の無業者やフリーター、学習意欲の低下などの問題に対し、社会と連携した支援システムをつくる。大学教育支援、人材育成支援システムの構想実現を目指し、理事会を中心にプロジェクトチームを設ける。
 一方、総会では同協会が行った「平成十六年度私立大学教員の授業改善に関する調査」の中間報告を発表した。学生の基礎学力がないと答えた大学、短期大学教員が六割に達することが明らかになった。
 調査は昨年十一月から今年三月七日(今月中旬まで回答受け付け)までで、同協会加盟大学・短期大学の全専任教員(講師以上)を対象に行われた。回収したのは大学が五万六千三百四十五人のうち二万五千百七十八人(四五%)、短期大学は四千五百人中、二千二百九十七人(五一%)だった。
 それによると「基礎学力がない」と答えた教員は大学が六〇・二%、短期大学が六六・二%に上った。学科別にみると大学は理学系が最も高く七四・八%。短期大学では人文科学系の七五%が最も高かった。
 同会では「基礎学力の不足については、三年前と比較した場合、大学で三年前の四四%が六○%に、短期大学では五五%が六六%に増加しており、深刻な状況となっていることが分かる」と懸念を示している。
 この調査を踏まえ、同会では教員自身と大学の改善に取り組む。また文部科学省に対し施策への要望をまとめる方針だ。

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