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記事2005年3月3日 1970号 (1面) 
文化審議会国語分科会 敬語に関する指針
漢字政策の在り方など課題
文化庁の諮問機関である文化審議会国語分科会 (会長=阿刀田高・小説家)は、昨年四月の第一回分科会開催以来、現代の国語をめぐる諸問題について審議を重ね、この二月二日、今期報告として「国語分科会で今後取り組むべき課題について」を提出した。
 報告によると、取り組むべき課題として、(1)敬語に関する具体的な指針作成について(2)情報化時代に対応する漢字政策の在り方の二つを挙げている。
 (1)「敬語指針作成」の理由として、一つは、平成十五年度文化庁「国語に関する世論調査」で、敬語表現が必要との回答が九六・一%と、敬語に対する意識の高さがみられたにもかかわらず、不適切な敬語の使い方の拡大が懸念されるなど敬語使用の実態がそれに見合っていないこと。
 もう一つは、平成十二年末に出された国語審議会の答申「現代社会における敬意表現」において現実の運用場面で生かせる具体的な指針作成が求められたことを挙げている。
 (2)の「漢字政策」の必要性については、パソコンや携帯電話などの情報機器が普及し、現在、漢字使用の目安としている「常用漢字」を総合的に検討する必要が生じていることがある。しかし、一方で、そうした情報機器の普及によって、漢字文化圏のわが国では「手書き自体が文化である」(国語に関する世論調査)にもかかわらず、手書きの機会が失われつつあること、また書き取りが五感を使い脳を活性化するとの意見もあり、「漢字を手で書くこと」の位置づけを早急にする必要があるとしている。
 国語分科会では、今後、(1)と(2)について、国語施策の重要な課題として各種調査も行いながら検討していくとしている。

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