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記事2005年3月3日 1970号 (2面) 
科学技術学術分野国際活動の戦略
日中韓パートナーシップの強化
文部科学省の科学技術・学術審議会国際化推進委員会(主査=池端雪浦・東京外国語大学長)は、世界が「知」をめぐる大競争の時代に入ったことを踏まえ、今年一月十九日、「科学技術・学術分野における国際活動の戦略的推進について」報告書を取りまとめた。この報告書は、昨年八月に発表した中間報告に追加検討を加えたもの。
 追加検討のうち、八月の中間報告で「東アジア共同体構想等を踏まえたアジアとのパートナーシップ強化」が必要との指摘を受け、同委員会内に設置された日中韓パートナーシップWG(ワーキンググループ)(主査=西野文雄・政策研究大学院大学教授)が取りまとめた「日中韓パートナーシップの強化について――グローバル時代における東アジア科学技術コミュニティの構築に向けて」が新たに盛り込まれたことが特徴の一つ。
 同WGでは、グローバル化が進展する一方で米・欧・アジアの三極化が進んでいることから、他のアジア諸国との関係も踏まえた日中韓三国のパートナーシップの在り方などが検討されてきた。
 このうち、日中韓パトナーシップで目指すものとして、東アジア共同体の形成がASEAN+3(東南アジア諸国連合プラス日本・中国・韓国)の場などで議論されていることから、東アジア共同体形成につながる東アジア科学技術コミュニティーの構築を先導していくこと、アジア共通の課題に日中韓が先導的に挑戦しアジアおよびグローバル社会に貢献すること、国際競争力の確保・強化を図ること、その結果として東アジア地域の安定と魅力を向上させることとしている。
 その推進方策として、大学・研究機関等における国際的活動を担う人材の養成・交流、地域共通課題への日中韓三国での挑戦、科学技術の共通基盤の整備などを挙げている。
 このほか、中間報告に追加検討されたものとして、国際共同研究開発活動等への研究助成の仕組みの充実・強化、外国人研究者受け入れの制度的問題、大学・研究機関等の海外拠点における連携を促す取り組みなどについて新たに検討、指摘を加えている。

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