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記事2005年3月13日 1971号 (1面) 
奨学金の採用枠拡充と増額要請
私大連盟が臨時総会で当面課題協議
安西会長再選 公財政支出の拡充
奨学金の返還免除など優遇措置も
日本私立大学連盟(会長=安西祐一郎・慶應義塾長)は、二月二十二日、東京・市ヶ谷の私学会館において、百六十八回臨時総会を開催した。総会では役員の任期満了に伴う改選が行われ、会長に安西祐一郎・慶應義塾長が、副会長には八田英二・同志社大学長と白井克彦・早稲田大学総長が選任された。

 協議事項としては、学納金返還請求問題、私立大学教員への雇用保険適用問題などが協議された。また、(1)中央教育審議会の答申「我が国の高等教育の将来像」への対応(2)第三期科学技術基本計画策定に向けての科学技術・学術審議会基本計画特別委員会での意見(3)学生委員会奨学金分科会報告(4)平成十七年度私学関係政府予算案(5)私学関係税制改正等(6)規制改革・民間開放の推進に関する第一次答申(7)構造改革特区第六次提案における文部科学省関係の対応(8)大学教育改革の支援並びに同支援にかかる税制――などについて報告された。
 このうち(3)学生委員会奨学金分科会が「国の奨学事業に関する意見と要望」として報告。この中で、私立大学ではかつてないほど奨学金が学生生活の財政基盤となっていることから、国の奨学事業のあり方に対し、(1)奨学事業の拡充(2)奨学事業の基本方針の開示と社会的説明責任(3)奨学金受給のあり方――の三つの柱を立てて提言している。
 具体的施策として、私学に配慮した公財政支出の制度整備、高等教育費への国力に見合った国費配分の実現、奨学事業の情報公開、合理的な競争的指標の導入、優遇的返還促進制度の充実、を求めている。
 個別的・具体的要望としては、第一種奨学金については(1)拡充および貸与額の増額(2)金額の選択制の導入を、春季採用については割当方法の改善を、また予約採用については(1)採用枠の充実と配分率判定基準の公平化(2)大検合格者等採用枠の拡大を求めている。
 入学時奨学金の交付時期についても、従来の七月から四月あるいは二、三月に改善すること。
 さらには、保護者等が無収入となった場合など家計急変時の一時金貸与を政策として実施するよう求めている。これに関連して貸与終期期限の撤廃・緊急経済援助の充実・学部生への返還免除制度の検討など、運用の柔軟化を強く要望している。
 このほか各大学独自の学内奨学金のあり方についても、今一度意味と役割を整理し、それぞれの私立大学が効果的な奨学制度を検討するよう提言している。

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