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記事2005年3月13日 1971号 (1面) 
公設民営学校を特区で
校地校舎は無償、運営費も助成
構造改革特区本部
 政府の構造改革特別区域本部(本部長=小泉純一郎首相)は、二月九日、特例措置の追加として、公設民営方式の高等学校および幼稚園を特区で設置可能とすると発表した。これは、教育サービスの多様なニーズに応えるため、地方公共団体と民間が協力して「公私協力学校法人(仮称)」を設立し、同法人が設置運営する「公設民営学校」を特区で制度化するもので、平成十七年度中に措置される。

 「公私協力学校法人」の設立の際の民間主体である「私」の審査については、特区地方公共団体の長が行い、知事等による資産要件審査はない。校地・校舎等については、無償または廉価で貸与・譲渡される。運営に必要な経費も助成される。
 民間主体の選定・継続にあたっては、地方公共団体の政策意図その他の条件をあらかじめ公表した上で、公正な審査を行い、教育サービスに関する品質と地方公共団体の財政上の負担の有無・その程度等を勘案し、地方公共団体やその住民にとって最も有利となるような民間主体が選ばれるとしている。つまり、参加する民間主体は人材・ノウハウ等を提供するものとしており、企業であるか個人であるかは問わないことになる。
 実際に運営された結果、「公私協力法人」で適切な運営が行われなかった場合、あるいは生徒・保護者の評価を得られない場合は、地方公共団体から出資・譲渡された財産等は返還・返上する。また在籍する生徒については移籍等に配慮した上で地方公共団体が必要な措置をとることにより公私の協力関係を解消できるとしている。
 今回の「公私協力学校法人」について、昨年十二月の「規制改革・民間開放の推進に関する第一次答申」の中で文部科学省側は、株式会社・NPO法人等に対して契約に基づき公立学校の運営を包括的に管理・運営させる方式は現行の教育制度上公立学校としたままで委託することは困難としており、現状では特区としての取り組みだとの考えだが、規制改革・民間開放推進会議(議長=宮内義彦・オリックス会長)では引き続き検討していく必要があるとしている。しかし、数の少ない株式会社立学校の評価がこのほど先送りとなったことからみて、実績として評価が成立するためには、ある程度の数の「公設民営学校」が必要となるとみられる。

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