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記事2005年3月13日 1971号 (6面) 
法人立専門学校協会が定例総会・理事会
高等職業教育機関の地位確立
キャリア形成支援

鎌谷会長

全国学校法人立専門学校協会の定例総会・理事会では、鎌谷会長のあいさつ、文科省の小松専修学校教育振興室長の祝辞に続き、四つの議案について審議が行われた。そのうち、平成十六年度第一次補正予算案、平成十七年度収支予算案については承認可決された。
 平成十七年度事業計画案については、その理念として、「大学院入学資格付与」や「高度専門士称号の付与」といった四年制専門学校の制度整備が俎上(そじょう)にのぼっていることを受け、専門学校を中核とする職業教育体系の構築に向けて、専門学校独自の制度の確立等を求めていく一方で、専門学校が社会の負託に応えられるように、公的財政支援などにおける大学との格差是正問題を解決していかなければならないとしている。また情報開示を進め、将来的には第三者評価の仕組みを確立していかなくてはならないとしている。

若年者の自立を支援
 具体的な基本方針として、専門学校の高等職業教育機関としての地位の確立、制度改革の推進、他の高等教育機関との格差是正、キャリア形成支援、教員資質向上などが挙げられた。
 また活動方針として、「高度専門士の称号付与」並びに「柔軟な通信教育制度の導入」の早期実現を求めるとともに、職業教育を行う高等教育機関としての個性・特色が明確となるよう、さらに四年制等の要件を満たす専門学校の卒業者に早期に「大学院入学資格付与」が実施されるよう、積極的に働きかけていくことが説明された。またフリーターやニートの増加に対応するため、文科省の新規予算「専修学校を活用した職業意識の啓発推進」の事業等を通じて、初等中等教育段階の職業観・勤労観の涵養のために専門学校の職業教育機能を発揮しながら、引き続き日本版デュアルシステムの構築に協力して、若年者の職業的自立を積極的に支援するとしている。

ご支援に深く感謝
 鎌谷 秀男氏


 平成十六年度も余すところ一カ月あまりですが、私の会長職進退については、この総会をもって辞任させていただくこととなりました。任期途中で辞めることについてお詫びするとともに、これまでのご支援に感謝いたします。中央教育審議会で専門学校卒業生の大学院入学についての答申が出ており、現在、具体的な制度整備に向かっています。さらに文科省の中の協力者会議でも、高度専門士(仮称)が議論されています。その他にも多くの課題をわれわれは抱えているわけですが、本協会としてこれらの対応については一歩一歩実績を積み、解決していけますよう、引き続き、よろしくご支援をお願いしたいと思います。

「職業教育の日」推進
専門士、大学編入のパンフ発行

 このほか、広報活動の推進の中で、「職業教育の日」については全専各連と連携して推進していくほか、専門士・大学編入学パンフレットの発行や、鳥取県で開催予定の第十七回生涯学習フェスティバルへの協力などを通じて、専門学校のPRに努めることとしている。
 新会長の選任については、鎌谷会長が任期途中で辞任することとなり、新会長として全専各連会長を務める中込三郎・東洋美術学校長が選任され、残りの任期を務めることとなった。中込新会長は「頑張りたい。支援をお願いしたい」とあいさつ。続いて退任となった鎌谷前会長が「今はわれわれにとって大変な時期、中込新会長への協力をお願いする」と辞任のあいさつを述べた。
 最後に平成十六年度事業中間報告が行われて、定例総会は閉会した。


全専協総会で退任のあいさつをする鎌谷前会長

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