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記事2005年2月13日 1968号 (2面) 
中央教育審議会の審議動向
教員養成意見と論点まとめる
ペーパーティーチャーの扱いなど
次期教員養成部会に引き継ぎ
中央教育審議会初等中等教育分科会の教員養成部会(部会長=國分正明・財団法人教職員生涯福祉財団理事長)は、一月十八日、東京都内で二十八回目となる会合を開き、「これまでに出された主な論点と意見」「特殊教育免許の総合化に係る論点整理案」などを固めた。第二期中教審が任期切れを迎えたため、次期中教審の教員養成部会に審議内容を引き継ぐためにまとめたもの。この日が第二期中教審教員養成部会の最終会合。

【初等中等教育分科会教員養成部会】
 このうち「これまでに出された主な論点と意見」では、基本的事項として、(1)今後の教員養成の在り方が論点とされており、それに関しては、「現行の四年制が良いのか、六年制とすべきか論じるべきだ」との意見や「専門職大学院を創設する場合、学部との関係を一貫にするのか、切り離すかについて検討することが必要」といった意見が記載されている。
 また教員養成における専門職大学院の在り方に関しては、(1)専門職大学院の役割や位置づけ(2)既存の教員養成系大学・学部・大学院との関係(3)専門職大学院の制度設計(教育内容・方法・教員免許状・入学資格・修了者の処遇)を論点としてあげている。これらに関しては、「専門職大学院は、管理職やマスターティーチャーを養成し、資格を付与するなど、教職のキャリアをシステム化するものとして位置づけるべきだ」「専門職大学院には、教育のアドミニストレーターのコースを設け、その修了者が教育委員会に配置されるようなシステムを作るべきだ」「工学部や農学部の出身者にも門戸を開き、実践力ある大学院を作ることが必要」等の意見を示している。
 さらに教員免許制度の改善、教員免許更新制の導入については、(1)教員免許更新制を含む教員免許制度の改革の必要性(2)教員免許更新制の導入の意義・位置づけ(3)教員免許更新制の制度設計(教員免許状の授与の仕組み・更新時の判定方法・いわゆるペーパーティーチャーの取り扱い、免許状と処遇との関係)(4)十年経験者研修等との関係を論点として挙げている。これらの点については、「大学の教職課程は単位認定をするだけとし、採用選考試験に合格し、一年間の条件付き採用期間を経ることで、免許状を与える形にすべきだ」「ペーパーティーチャーについては、免許状が自動的に失効するような仕組みが必要」といった意見が出されている。
 一方、特殊教育免許の総合化に係る論点整理では新しく創設される「特別支援学校」(仮称)の教諭が有することを前提とした「特別支援学校教諭免許状(仮称)」の種類や内容、対象範囲、特別支援学校の教員の養成カリキュラムの在り方に関する意見や提案などを記載しており、試案として「特別支援学校教諭一種免許状(仮称)」授与に必要な科目と最低修得単位数も提案している。
 これらの問題は文部科学省が進めつつある義務教育改革とも関連するだけに第三期の中教審教員養成部会は秋までに一定の意見の集約を行うことになりそうだ。第三期の中央教育審議会の初めての総会は二月十五日に開催される予定。

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