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記事2005年2月13日 1968号 (8面) 
ユニーク教育 (139) ―― 目白学園中学・高等学校
SELHi公開授業実施
英語で英語を教える″mZ英語コース

松本校長

目白学園中学・高等学校(松本逸也校長、東京都新宿区)は昨年十一月二十六日、同校で「SELHi公開授業」を実施、公開授業のほか、英国修学旅行報告会、SELHi三年間の経過報告と今後の課題についての研究協議会も行った。
 同校は平成十四年文部科学省から「Super English Language High School」(=SELHi)の研究開発校の指定を受け、学校全体で発展的な英語指導法の研究に取り組んでいる。同校がSELHiの指定校に選ばれた理由は、二十一世紀の国際社会で活躍する国際人を育てるために、学校全体が一丸となって英語教育に取り組んでいる結果といえる。
 (1)海外十四カ国、十七校の姉妹校と締結し、そのうち十六校とは相互に交換留学を実施しているなどの充実した国際理解教育(2)七年前から実施している英語コースでのACEプログラムの実施(3)ボランティア部、チアリーディング部などの課外活動の目覚ましい実績――が評価の対象となった。
 同校の高校英語コースの特徴は、何といっても英語で英語を教える℃業にある。この日、行われた公開授業は英語コース三年四組の「Speaking  Out」(Aグループ=授業者はケネス・クラウン・スーパーバイザー、Bグループ=授業者はドナルド・マーバーグ教諭)および、英語コース一年四組「英語T」(Aグループ=授業者は木宮加代子教諭、Bグループ=授業者は市川洋子教諭)の四クラス。
 授業はすべて英語で進められ、教員と生徒とのやり取りは緊張感がみなぎった中にも和やかな雰囲気で行われていた。
 「Speaking Out」ではコミュニケーション力を伸ばすことを目的に、英語を母語とする教員が単独で洋書を使って授業を行い、日常の場面を想定してスピーチやプレゼンテーションの技法を学ぶ。主に「聞く・話す」力を養う狙いだ。「英語T」では補助プリントなども用い、これもすべて英語で行われていた。
 報告会では、最初に「英語で英語を教える」授業の成果について、ケネス・クラウン・スーパーバイザーが発表、その中で「英語でのコミュニケーション能力を高めることを目的に行っており、英語を日本語に訳すことなく、そのまま頭に入れる目的が果たされている」と述べた。
 また、英国修学旅行について、高校二年の田中麻由実さんが「修学旅行の概要」について、斉藤美貴さんが「現地で行った日本紹介『着物』」をそれぞれ報告した。同校の英国修学旅行は高校二年英語コース全員が異文化を体験することと、英語によってコミュニケーションを行うことで現地の人との交流を図ることを目的に実施している。田中さんは「自分の言いたいことを伝えるという強い意志を持てば、必ず理解してくれる。日本の文化も教えることができた」と報告。一方、斉藤さんは英語で、着物を紹介した様子を報告、日ごろの英語の学習の成果を披露した。
 また、同校の国際交流の取り組みについては、森本治子・国際教育部主任が「概要」につき、英語科のバーバラ・ハンター教諭と国語科の岩本富貴子教諭が「交換教員制度」について報告した。
 森本主任は生徒に英語力がついたことを通して学校全体が活性化されていることを指摘、「継続は力なり」の大切さを強調した。岩本教諭は交換教員の体験を紹介した上で、「コミュニケーション能力とは気持ちを正確に伝え、相手を受けとめることができるかということに気がついた」と振り返った。
 生徒が自分の考えを豊かに表現できる英語力を養うための「『読む・書く・聴く・話す』を総合的に伸ばす英語教育」は、確実に成功している。


すべて英語で行われる授業

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