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記事2005年12月23日 2008号 (1面) 
留学生の質問われる時代
国際教育、交流協議会で論議
私大連盟
日本私立大学連盟(安西祐一郎会長=慶應義塾長)は十二月九日、都内ホテルで「国際教育と質保証―2005年度国際教育・交流推進協議会」を開催した。国際教育の質保証をめぐり、学生を採用する立場から花王(株)会長より企業の求める人材などについて意見が述べられたほか、文部科学省担当者より国際的動向の説明があった。意見交換では参加者と、各大学での留学制度の現状や課題について議論した。
 会の冒頭に国際教育・交流委員会担当理事の飯野正子・津田塾大学学長が「各大学とも国際化に向けてさまざまな質保証の取り組みをしている。さらに国際化、国際教育が進むように(協議会が)役立てれば」とあいさつした。続いて同委員会委員長の林堅太郎・立命館アジア太平洋大学副学長は昨年の留学生は約十一万七千人だったことなどに触れ「十万をクリアしたから、これからは質が問われる時代になる」と強調した。
 その後、後藤卓也・花王株式会社取締役会会長が発題者として発表に立った。これからの高等教育のグローバル化に対応した国際通用制の保持、教職員の質向上の重要性などを提言し、同社として国際感覚が豊かで、協働による高い成果を生み出せる人材を求めていることなどを話した。
 また、関百合子・文科省高等教育局学生支援課国際交流企画室専門官は過去五年間、海外の大学等との協定は増加傾向にあり、平成十六年度には一万千二百九十二件に及ぶことなどを説明した。
 さらに国際教育・交流委員会委員の下村博之・拓殖大学国際部長は同委員会が行った調査結果を報告。今年五月一日現在で、加盟大学の外国人留学生受入れ数は前年に比べ六%(千五百四十六人)増の二万五千五百八十六人。中でも交換留学生数が前年比六一・二%(八八七人)増えている。一方、学生海外派遣数は前年度比三二・四%(三千二十一人)増の九千三百六人。私費留学生が四九・七%(二千百一人)増と大幅に伸びたほか、交換、国費留学生も過去最高の人数となった。
 下村部長は留学先について、爆破テロや新型肺炎「SARS」の影響で平成十五年度大幅に低下していた米国、中国も昨年度は回復傾向にあることなども説明した。
 このほか参加者との意見交換では留学から帰っていた学生への就職支援や、大学間で連携した情報交換などについて議論した。加盟校からは海外からもゼミを登録できる制度などの紹介があった。

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