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記事2005年12月23日 2008号 (7面) 
東京と福井で私学振興予算要望
父母負担教育費の公私間較差是正
東京私学6団体要望期成大会
標準的運営費の二分の一補助 公費負担を堅持など決議
 「平成十八年度私学振興予算要望期成大会」が十一月二十九日、東京・千代田区の千代田女学園中学高校で行われ、会場には私学へ子供を通わせている保護者および教職員ら千三百六十人が集まった。大会では「父母負担教育費の公私間較差を是正すること」「『標準的運営費の二分の一』公費負担を堅持すること」の二点を決議した。特に来年度の予算編成の指針となる副知事依命通達の中で、「平成十七年度予算額の範囲内で所要額を見積もる」ゼロシーリングとすることが示されたため、私学振興予算の拡充を強く訴えた。

 私学は学費負担の軽減、学校経営の健全化のため自助努力を行っているが、もし私学関係予算の削減につながるようなことになれば、父母負担教育費の一層の公私間較差、ひいては学校選択の自由が阻害されかねない。大会には私学に理解を示している都議会議長や都議会各党幹事長らを招き、十八年度私学振興要望予算の満額実現を訴えた。主催は東京私立中学高等学校協会、東京都私立中学高等学校父母の会中央連合会、東京私立初等学校協会、東京私立初等学校父母の会連合会、東京都私立幼稚園連合会、および東京都私立幼稚園PTA連合会の私学六団体。
 主催団体を代表し、近藤彰郎・東京私立中学高等学校協会長(八雲学園中学高校長)は、「私学の担っている責任はたいへん重く、どんな環境でも役割を果たしていく決意である。保護者と私学団体は車の両輪のように助け合うことが必要だ」とした上で、父母負担教育費の公私間較差を是正し、生徒の(学習)環境を守るためにも、要望している私学予算の満額回答の実現を要請した。
 続いて、父母の立場から青木伸子・東京都私立中学高等学校父母の会中央連合会長は「次代を担う子供たちのために議員の先生方には格段のご配慮をお願いします」とあいさつした。
 また、父母の意見として、各団体の代表が発表後、父母を代表して野口勝子さん(東京都私立中学高等学校父母の会中央連合会)が「父母の切実な、心からの願いである父母負担教育費の公私間較差の是正を一日も早く実現し、自由に学校選択できる社会を切にお願いします」と父母の願いを発表した。
 来賓として、川島忠一・東京都議会議長は「父母の方々の情熱的で熱心な思いが伝わった。父母負担が極力軽減されるように全力で頑張ることを誓う」と力強く述べ、野村有信・東京都議会自由民主党幹事長は都財政も少し好調となってきたとし、「各党足並みをそろえている。私学部は一千二百四十九億円(前年度比一・四%増)を要求しているが、満額達成できるのではないか」と期待を表明した。また、新行内孝男・東京都生活文化局私学部長は「来年度予算満額確保に向けて頑張る」とあいさつした。
 なお、各私学団体からの要望事項は、中学高校が「標準的運営費の二分の一公費負担の堅持およびその内訳の明確化」など十項目、小学校が「児童の安全に関わる公費支出の継続の要望」など五項目、幼稚園が「経常費補助」など五項目を要望している。
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