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記事2005年12月13日 2007号 (5面) 
私学の年輪
日本私立中学高等学校連合会前副会長 田沼智明先生偲ぶ
私学振興に多大な功績
多くの方に敬愛され、私学の柱に

日本私立中学高等学校連合会前会長 堀越克明氏

 田沼智明・横浜学園長・理事長が十月十八日に胃がんのため八十三歳で逝去され、新たに就任した田沼光明・横浜学園理事長、中学・高等学校校長、付属元町幼稚園長の喪主により十二月二日、横浜プリンスホテルで学園葬がいとなまれた。私学関係者らおよそ六百人が参列した。式では親交が深かった日本私立中学高等学校連合会常任顧問・前会長の堀越克明・堀越高校理事長・校長が弔辞を述べた。堀越理事長の弔辞は次の通り。
 多くの方々に敬愛され私学の大きな柱であった先生にもうお会いできないかと思うと悲しみが胸に迫ってきます。先生は終戦間もない昭和二十一年に東京帝国大学をご卒業になり、現在の横浜学園理事などを経て、昭和四十六年には校長に、四十九年には理事長に就任されました。この間、先生は新校舎の建て替えを図るなど、学園の教育環境の整備拡充を積極的に進められました。
 学園は発展を遂げられ、平成十二年には創立百周年の記念式典が挙行されました。そして翌十三年には時代の進展、社会の要請に応えるため、その百年の女子教育を区切りとし男女共学に衣替えされ、「学園がさらに活気づいた」と喜ばれていたのが、つい先日のように思い出されます。
 先生はこのように学園の発展に尽くされる傍ら神奈川県私立中学高等学校協会役員を引き受けられ、平成三年から十年間にわたり同協会理事長としての重責を果たされました。平成四年から九年間にわたり中高連副会長を務められました。時代はすでに高等学校生徒の急増から長期にわたる減少への移行期に当たり、神奈川私学のみならず、わが国私学の振興のため、私学助成や公私間の生徒収容の問題に先頭に立ってご検討していただきました。
 これらのほかにも先生はご多忙にもかかわらず数多くの要職を歴任されました。先生はそれぞれのお立場で常に全力投球でした。先生の力強いお姿と温かさ、お人柄は多くの私学人に慕われ、またよりどころでした。先生の私学教育への振興への多大なるご尽力、ご功績に深く敬意を捧げ心から御礼申し上げます。どうぞこれからも日本の私立学校をお見守りください。

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