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記事2005年11月3日 2000号 (7面) 
新校長インタビュー (126) ―― 大妻中学・高等学校
校長 渡邊 澄子氏
「恥を知れ」を校訓に
思いやりの心と感謝を



 「建学の精神を堅持し伝承し、これを日常の指導の中で具体化することを学校全体で取り組んでいます」と渡〓澄子・大妻中学高校長は語った。同校は「恥を知れ」を校訓に学祖大妻コタカ氏によって創立され、現在までに九十七年の歴史を刻んでいる。
 「『恥を知れ』という意味は、自分の良心に恥じることはしてはならないという意味で、他人に対して言うことではなく、自分を律する言葉です」と渡邊校長は説明する。この精神の根底にあるのは、思いやりのある心であり、その心が形となって表れたのが礼儀だ。このことは感謝の心にも通じている渡邊校長は「礼儀と感謝が創立者の女子教育にかけた思いです」と力を込める。
 この精神は同校の進路指導、教科指導、行事、部活動などに表れている。
 中学一年から進路指導は始まる。一年では「道徳」の授業で夢を持たせるように意識付けをしている。同校の歴史を教えたり、新聞を活用し社会に目を向けさせる授業を行ったりする。二年では「道徳」の授業で茶道を学び、礼儀と感謝の心を培う。三年では社会「公民」の授業で職業について理解を深める。高校一年で行われる、二泊三日(箱根)のオリエンテーションでは、クラスごとに各自の夢の実現について徹底的にミーティングをする。ここで、各自は適性について考え、進学する大学、学部などについて方向性を定める。二年では進路を具体的に考え、目的に沿った学習態度を整える。希望する大学の特色を把握し、進路に対する目的意識を持つ。三年では志望校を定め対策を考え実力養成を図る。
 同校は教員としてのスキルアップを図るため、研究授業を昨年から各教科始めた。
 「本校は、創立当時から社会に貢献できる女性の育成を目指しています。これこそ私学が存在する意味だと思います」と渡邊校長。
 同校は今年三月末に新校舎が完成した。新校舎の内部は木をふんだんに使い、床は柔らかい優しさのある空間を醸し出し、新校舎の大きな特色となった。玄関には大妻コタカ氏の胸像が置かれている。生徒一人ひとりの夢の実現に向かって、着実に進歩している。

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