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記事2005年11月3日 2000号 (1面) 
私学振興全国大会を開催、私学予算の満額確保とイコールフィッティング実現を
日本私立中学高等学校連合会(田村哲夫会長)と日本私立小学校連合会(平野吉三会長)は、十月三十一日、東京・千代田区の東京都日比谷公会堂に私立学校関係者ら二千二百人を集め、「私学振興全国大会」を開催した。冒頭、あいさつに立った田村会長は、公私立学校という二つの仕組みが同じ条件で競い合う「イコールフッティング」の重要性と、私学教育に対する国民の期待が高まる中で経済的制約なしに私立学校を選択できる必要性を強調、そのために来年度私学関係概算要求の満額実現を、出席の自由民主党議員に要請した。この日は第三次小泉改造内閣が発足する日だったが、約八十人の国会議員が駆けつけ、私学関係者の要請に耳を傾けた。

 この中で、主催者を代表してあいさつに立った田村会長は、「教育は未来への先行投資。国家戦略としての意味がある。学校には公立と私立という二つの仕組みがあるが、互いに競い合っていい教育を次の世代のためにしていくことを保障するのがイコールフッティングで、自民党が考えて作った私立学校振興助成法はイコールフッティングを理想的な形に近づけるもの。文部科学省から出されている平成十八年度私学関係概算要求を一〇〇%実現してほしい。また内閣府の十月六日に発表された国民の意識調査でも私立学校教育への国民の高い評価が伺われる」と述べ、全ての人が私学教育を経済的な制約なしに選択できるよう私学助成充実を要請した。
 これに対して自民党の大島理森・文教制度調査会長(元文部大臣)は、自民党は現在、憲法の改正に挑戦しており、私学助成については明確に行うとの案が了承されていること、小泉総理の「官から民へ」では一層私学の存在や私学の果たすべき役割は大きいとし、私学振興に引き続き力を注いでいく考えを強調した。また河村建夫・文教制度調査会長代理(前文部科学大臣)は、文部科学省の私学関係概算要求の満額獲得のために全力で努力する考えを強調、西川公也・内閣府副大臣も官から民への流れ中で私学振興は当然とし、塩谷立・文部科学副大臣はイコールフッティング実現へ向け国民の負担や財源の確保の検討の必要性を指摘、遠藤利明・自民党文部科学部会長は、私学関係者がそれぞれの地域で私学振興に向け声を上げてほしいと述べた。
 このあと保護者代表により私学助成予算の拡充実現を求めた「父母の願い」が読み上げられ、塩谷副大臣に実現を託して手渡された。その後中高連の近藤彰郎・常任理事が、私立高校等に対する国庫補助制度の堅持・拡充、都道府県私学助成事業に対する国の財源措置の拡充、公費支出の公私間格差是正の三点を柱とする決議案を朗読、出席者全員で採択、遠藤部会長に手渡された(役職名は当時のもの)

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