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記事2005年11月23日 2004号 (2面) 
規制改革・民間開放推進会議課題検討
特別免許取得要件緩和要求
教員評価、学校選択の自由で意見交換
生徒らの視点評価徹底
規制改革・民間開放推進会議(宮内義彦議長)は、十一月八日、都内で第二回の主要課題改革推進委員会を開き、教員免許及び採用制度、教員評価制度改革、学校選択制と情報公開に関して文部科学省と意見交換を行った。この委員会は同会議の重要課題を重点的に検討する組織。この日は同省から樋口修資・大臣官房政策評価審議官、山中伸一・大臣官房審議官、永山裕二・大臣官房総務課行政改革推進室長が出席した。

 同会議では学校評価の中の最重要テーマは教員評価と位置づけており、教員評価では教育のユーザーである生徒・保護者の視点からの評価を推進していく方針。ユーザーによる教員評価は欧州の教育先進国では徹底して行われているとし、条件付き採用期間における厳格な制度運用、能力・実績を重視した人事制度への転換、教育公務員の身分保障の緩和も視野に入れ、少なくとも分限基準の明確化を求めている。また教員採用に関しては特別免許状の授与件数が十六年間で百四十九件と低調なことを挙げて、免許状を持たない者の採用の容認、期限付き正式採用の制度化、特別免許状取得に関わる推薦要件の撤廃などを求めている。
 さらに学校選択制に関しては、教育委員会による「学校指定」制から保護者による「学校登録」制への転換を求めていく方針。これを前提として公私等、学校の運営形態にかかわらず児童・生徒数を基準とした予算配分(バウチャー制)を実現したい意向。公的助成に関しては就学者一人当たり公私間で幼稚園の場合四・七倍、小学校では三・一倍、中学校では三・八倍、高校で二・九倍、大学で六・八倍の格差がある、としている。
 教育バウチャー制については、政府の「骨太の方針」で平成十八年度中に結論を得ると決められており、同省は専門的な検討を始めたところ。
 こうした同会議側の指摘に対して、同省は優れた社会人を学校現場に迎え入れるためには特別非常勤制度等も設けられていること、この制度活用は、十五年度で約二万件に及ぶこと、教員採用者における民間企業経験者は年々増加し、十六年度で採用者全体の約一〇%を占め、条件付き採用期間中の不採用者も増加傾向で厳格な運用が進められていることなどを説明している。
 学校選択制については平成十五年に各市町村の判断で導入できように制度改正したこと、中学校でいえば学校選択制を導入している自治体は全体の一一・一%、検討中を加えると約二〇%に達することを紹介している。
 新たな教員評価システムについても全都道府県・指定都市教育委員会に調査研究を委嘱しているとしている。
 しかし同会議側では同省は骨太の方針にある「地域の実情に応じた」との文言を盾に学校選択制に消極的な印象とし、引き続き議論を重ね、年末に予定されている答申に具体的な改革案を盛り込む意向だ。

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