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記事2005年11月13日 2002号 (2面) 
教育・研究充実に関する研究会
教育・研究充実に関する研究会
3年制の保育者育成
ライフデザイン総合学科など発表
私学研修福祉会(理事長=在幸安・日本大学前総長)は十月の十九・二十の両日、第二十八回私立大学の教育・研究充実に関する研究会(短期大学の部)を開催した。事例・意見発表で小川清美・東横学園女子短期大学保育学科長・教授による三年制の保育者育成の取り組みのほか、福井有・大手前短期大学理事長・学長による同校の「ライフデザイン総合学科」で実践しているキャリア教育や、生涯学習の場として開校した「コミュニティカレッジ」についての発表などがあった。

 小川教授は「三年制による保育者養成と学内子育て支援センター『ぴっぴ』を中心として」をテーマに発表した。保育現場で重要視される保育者の能力として、小川教授は、子供たちだけに目を向けるのではなく子育てに悩む父母のサポート、「親の相談役」としての役割もあることを指摘。資格や免許があるだけで、現代の保育現場を支えるのには厳しい時代だという。
 そこで同校では資格取得に「経験」を加え、三年制での保育士育成に取り組み、社会が求める質の高い保育者育成を目指している。三年制カリキュラムでは必須のほかに「異文化理解プログラム」「農業体験プログラム」「小児栄養プログラム」「地域子育て支援体験プログラム」などを行い、保育士資格と幼稚園教諭二種免許を取得する。
 さらに全国で初めて大学内に設置した子育て支援センター「ぴっぴ」により、保育の現場を体験でき地域社会における子育て支援の在り方を学べるという。
 小川教授は三年制の利点として、過密スケジュールの解消、詰め込み教育を回避できることのほか、より多くの保育現場の経験を積めることで幅広い保育者を養成できることを話した。
 一方、大手前短期大学の福井学長は「ライフデザイン総合学科から見た学生像」と題し実践内容を発表した。同校では平成十六年より「ライフデザイン総合学科」に改組、「STUDY FOR LIFE(生涯にわたる、人生のための学び)」の理念を掲げ「学生自らの人生設計を試し、創り、なりたい自分を目指す」という学科を設置した。
 新学科の特徴は特定の専攻は設けず、学生は十系統、三十ユニットで構成された専門教育科目から自由に選び組合せてオーダーメイドのカリキュラムを創ることが可能だ。
 また、開かれた学園を目指し昨年五月に同校の伊丹キャンパスに開校した「大手前シティカレッジ」は、大学を広く市民に開放する生涯学習の場となっている。平日(月〜金曜日)は夕方から夜間、土曜日は午前九時から午後五時まで開校しており、同校の学生も参加していて、講座により短大の単位として認める。学生にとっても、勉強をしたいという強い目的意識のある社会人とともに学ぶことは、授業への取り組み姿勢や将来の人生設計にも役立つという。福井学長は「社会人を含め、熱意ある学生の要望には全力でこたえていきたい」と強調した。
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