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記事2005年10月3日 1995号 (2面) 
中央教育審議会の審議動向
義務教育費の負担問題10月中に結論
鳥居部会長が答申メモ示す
国と地方に依然距離
【義務教育特別部会】
 義務教育費国庫負担金制度の存廃について討議している中央教育審議会義務教育特別部会(部会長=鳥居泰彦・慶應義塾学事顧問)は九月三十日、都内で会合を開き、鳥居部会長から答申に向けた「部会長メモ」が示された。「国は義務教育の根幹を保障」と提言しているが、国庫負担制度の在り方については明言を避けた。今後議論を進め制度の在り方について一定の方向性を決め、十月中にも答申する方針だ。今回、鳥居部会長が提出した部会長メモは同部会が目指す義務教育改革の理念と題し、「義務教育の理念・目的」「新しい教育の姿」「義務教育の構造改革」「国、都道府県、市町村の役割の明確化と協力関係の強化」「義務教育の重要性」「義務教育における費用負担の在り方」―と大きく六つの柱立てとなっている。メモでは「教職員の養成・配置、給与負担の在り方は、教育基盤の中で最も重要な要素」としながら、費用負担の在り方については「分権と国の財源保障の関係」と記すのにとどまっている。また「国は、義務教育の根幹((1)機会均等(2)水準確保(3)無償制)を保障」と提言。「義務教育の構造改革」では教育の実施(プロセス)を地方・学校に委ねる分権改革を挙げ、コミュニティ・スクールなどを推進していく方針などを示している。
 今回の会合には地方代表委員の三人が欠席したが、会合では多くの委員が国庫負担金制度の堅持を重ねて強調した。なかには「(答申は)誰が読んでもわかる内容にしてもらいたい。どちらとも読めるような表現はやめてほしい」などと鳥居部会長に要請した委員もいた。鳥居部会長は費用負担の在り方について「なかなか難しいが思い切った書き方をしていきたい」と話し、「両論併記」はせず、一定の結論を答申に盛り込む考えだ。

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