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記事2005年10月23日 1997号 (2面) 
教育要領のあり方検討へ
幼小連携、子育て支援等位置付けも
【幼稚園教育専門部会】
 幼稚園教育要領等を見直すため中央教育審議会教育課程部会内に新設された幼稚園教育専門部会の初会合が十月十九日、東京都内で開かれ、幼稚園教育要領改訂に向けた審議を開始した。同専門部会の主査には教育課程部会の木村孟部会長の指名で無藤隆・白梅学園大学長が、副主査には柴崎正行・大妻女子大学家政学部教授がそれぞれ就任した。この日は初会合ということで、文部科学省からこれからの幼稚園教育の在り方をめぐるこれまでの中教審義務教育特別部会や教育課程部会での論議の概要等が説明され、自由討議でこれからの幼稚園教育の在り方等が話し合われた。
 この中で無藤主査は、今回の専門部会では幼稚園教育要領の改訂にとどまらず、広く幼稚園全般の振興策を検討したいとし、同専門部会に先駆けて今年一月に答申をまとめている中教審幼児教育部会の審議内容が今回の議論の基礎になるとの考えも示した。また現在、厚生労働省と文部科学省が別に審議を進めている総合施設の評価の問題を幼稚園教育要領に反映させるのか、保育所「保育指針」との調整等が課題だとも指摘した。文部科学省の説明では、現時点で時代の変化に対応した幼稚園の役割・教育内容、幼稚園教育要領のねらい・内容の構成、幼稚園施設と小学校との連携の推進等の明確化、子育て支援・預かり保育の教育要領上の位置づけの明確化等が論点となりそうだ。特に小学校教育につながる五歳児教育をどうするかが大きな焦点の一つといえる。自由討議では、委員から現代の幼児をめぐる環境の悪化を背景に、親の幼児教育への理解不足、幼稚園の機能拡大(保育時間延長や子育て支援の実施、満三歳児受け入れ等)による保育者の疲弊、商業主義等による教育要領と保育現場との乖離(かいり)等が相次いで指摘されたほか、今後、義務教育で重視される基礎基本の徹底や到達度目標の設定を幼稚園教育ではどうするのか議論したいとの意見も出された。

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