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記事2005年1月23日 1966号 (1面) 
文科省が国公私立全校の安全管理を調査
子供への防犯ベル配布低く33%
高い危機管理意識
警備員の配置は8%どまり
不審者の学校侵入や登下校時に小学生らが襲われる事件等が相次いでいるが、文部科学省は一月十四日、全国の国公私立の幼稚園、小学校、中学校、高校、盲・ろう・養護学校を対象にした安全管理の取組状況に関する調査結果を公表した。それによると、平成十五年度中に学校の安全管理に関して取り組むべき事項の点検をした学校は全体で八八・六%に上るなど危機管理への意識は高まっているものの、防犯カメラ、センサー、インターホン、認証装置のいずれかを整備している学校は四五・四%にとどまり、防犯ブザー(防犯ベル)の子どもへの配布(貸与)率も三二・七%と低率だった。

 文部科学省は、平成十四年度から学校安全の充実に総合的に取り組む「子ども安心プロジェクト」を実施しており、今回の調査もその一環。
 ▽教職員の安全対応能力の向上=教職員に防犯訓練や研修等を行った学校は全体で七四・一%。私立学校は十五年度の実施率が五九・九%、十六年度予定では八二・〇%の実施率となる。
 ▽子どもの安全対応能力の向上=防犯に関する訓練や防犯教室等を実施した学校は、平成十五年度、全体で六六・七%。十六年度予定では八五・三%に跳ね上がる。私学の実施率はそれぞれ五二・三%、七五・八%。
 ▽通学路の安全点検(交通安全および防犯の観点を含む)の実施=十六年度中に点検を行う予定の学校(小学校、盲・ろう・養護学校)は全体で九七・五%。私立学校の実施率は八四・二%。
 ▽学校に不審者が侵入するなど緊急時に備えた対応(教職員の役割分担の明確化、警察署等に直ちに通報がなされる体制の整備等)=実施している学校は十六年度中の予定も含めて、学校全体では九七・二%。私立学校は九五・四%。
 ▽防犯監視システムを整備している学校(防犯カメラ、センサー、インターホン〈門や建物の入り口等への設置〉、認証装置等のいずれかを学校や地域の状況を踏まえ、必要に応じて整備している)=全体では四五・四%の整備率。私立学校の整備率は六四・一%と平均を上回っていた。
 ▽通報システムを整備している学校(校内緊急通話システム〈インターホン等〉、警察や警備会社との連絡システム、防犯ベル・ブザー、非常押しボタン等〈普通教室等校内への設置〉、携帯型押しボタン〈教職員への配布〉等のいずれかを学校や地域の状況等を踏まえ、必要に応じて整備している)=学校全体の整備率は七一・二%。私立学校の整備率は七五・七%。
 ▽防犯ブザー(防犯ベル)の子どもへの配布(または貸与)や、警備員の配置(夜間警備やボランティアによる巡回等を除く)を行っている学校=十六年三月末現在、防犯ブザーの配布(貸与)を行っている学校は全体で三二・七%。警備員の配置は、八・〇%だった。
 私立学校での防犯ブザーの配布(貸与)率は六・〇%。警備員の配置率は一八・五%。公立校と国立校の警備員配置率は、四・九%、一〇〇%。

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