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記事2005年1月23日 1966号 (2面) 
補正予算組み、私学支援
地震水害復旧、耐震改修等に補助
大学、高校等に18億
専修学校には10年ぶり1億強補助
政府は昨年末、先の新潟県中越地震や台風二十三号等に関する災害復旧事業費等を盛り込んだ平成十六年度補正予算案を決定した。これらの災害は国の「激甚災害」に指定され国庫補助の対象となったことから、私立の幼稚園から大学までについては約五億二千五百万円の災害復旧補助が計上された。また私立の大学等と高校等については、校舎等の耐震改修補助がそれぞれ五億円、七億六千万円、計十二億六千万円計上された。一方、専修学校・各種学校については、激甚災害指定に基づく補助の対象外だが、政府は一条校と同様、復旧支援が必要と判断し、約一億二千六百万円の予算が計上された。専修学校・各種学校への国の災害復旧補助は阪神・淡路大震災以来十年ぶりのこと。

 今回の補正予算で激甚災害に基づく災害復旧補助の対象となったのは、新潟県中越地震による被害のほか、昨年の台風二十三号、台風十六号、新潟・福井・福島豪雨による被害。いずれも激甚災害に指定されている。
 補助額は五億二千五百十万円。これとは別に専修学校・各種学校の災害復旧に対する支援措置として一億二千六百万円が計上された。専修学校・各種学校への補助は新潟県中越地震による被害が対象。
 両補助をあわせると、総額で約六億五千百万円になる。基本的には被害額の二分の一が補助される仕組みになっているが、実際の補助額は現地調査等により査定、決定される。専修学校・各種学校も補助率は二分の一。
 もともと専修学校は、「激甚災害に対処するための特別の財政援助に関する法律(激甚法)」が制定されて以降に誕生した学校種ということもあって同法の適用がない。十年前の阪神・淡路大震災の際も全国専修学校各種学校総連合会が同法の改正等を政府・与党に求めたが、結局、改正は行われず、それに代わって学校教育法第一条校(大学や高校等)と同様な財政援助を行うことになった経緯がある。このため、同連合会は地震発生の四日後には早くも文部科学省の塩谷立副大臣らに法改正や改正法が適用された場合と同様の財政援助など救済を要請している。
 十一月二十六日の同連合会臨時総会では全組織を挙げてこの問題の改善に取り組む方針を決議。十二月十五日には中山成彬・文部科学大臣に同様の要望を行っている。また新潟県の泉田裕彦知事も、文部科学省に対して、専修学校・各種学校の施設・設備の復旧についても、国庫補助事業の対象とするよう要望していた。こうした運動が功を奏して、今回一条校と実質同様の支援が実現した。
 平成十六年度補正予算案に盛り込まれた国公私立学校施設等の災害復旧費は総額で二百六十六億円。十六年度補正予算案には災害復旧費とともに、防災拠点としての国公私立学校等の耐震化整備が盛り込まれている。これらは総額で六百七十五億円。この中に私立大学等分として五億円、私立高等学校等分として七億六千万円、合計で十二億六千万円が計上されている。

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