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記事2005年1月23日 1966号 (2面) 
中央教育審議会の審議動向
高等教育の将来像 最終的詰め
大学分科会、26日総会に提出
中央教育審議会大学分科会(佐々木毅分科会長=東京大学総長)は一月十二日、都内で第四十六回会合を開き、「我が国の高等教育の将来像」について、今月末の答申に向け、最終的な詰めの話し合いを行った。
 まず、大学院部会から「きちんとしたシラバスがない」「大学院生が教授の労働力とされている」「三十単位中十二単位が論文」などを共通の課題として、大学院を教育の課程を提供する場として確立するため、人社系・理工農系・医療系のワーキンググループが審議を行っているとの報告があった。
 その後事務局から、十二月に出した中間報告を示して行った、パブリックコメントの結果と、「若年層の無業者やフリーターの増加などに対して、高等教育においても若年者の職業的自立に寄与する必要がある」との記述が加えられていることが示された。
 この日特に活発に意見が交わされたのは、第五章の「中間的な施策の方向性」について。ここでは、将来像を実現するために必要な施策を示しているが、表記の統一がなされておらず「〜を図る」「支援する」など、諮問機関の答申文としては違和感のある部分もあるため、混乱を招きやすいとの意見が複数あり、この部分について文言の修正を行うこととした。
 さらに、十三日と十九日にも会合を行った「大学の教員組織の在り方に関する検討委員会」での審議の結果なども記述に盛り込んだ上で、二十四日に最終の話し合いを行い、二十六日の中教審総会に報告し、答申する予定だ。

「助教」を創設
教員組織委、最終協議


 中央教育審議会大学分科会の「大学の教員組織の在り方に関する検討委員会」(安西祐一郎座長=慶應義塾長)は一月十九日、最後の会合を開き、現行制度の助教授を「准教授」、助手のうちこれまで「新職」として位置づけを話し合ってきた職を「助教」、(新)助手として話し合ってきた職を「助手」とすることが適当との結論を出した。
 学校教育法上で「教授及び助教授の職務を助ける」とされている助手は(1)将来大学の教員や研究者となることが期待される者(2)教育研究の補助を行う者(3)学科や研究室の事務を担う者が混然としている。同委員会は、このうち特に(1)について、職務の内容にふさわしい名称と位置づけを話し合ってきた。その結果、関係者の意見も踏まえ、助教が適当との結論を得た。
 また助教授は「教授の職務を助ける」と位置づけられているが、大学や分野によっては実態にそぐわないため、「学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に充実する」ことを主たる職務とする「准教授」とする。
 現在の助手のうち、(2)や(3)の職務に従事している者については、名称を「助手」のままとし、職務内容は「教育研究の補助を主たる職務とする」とする。
 いずれも、基本的には大学に置かなければならない職とするが、各大学の方針や分野の実情によっては、置かないこともできるとする。これらの内容は、二十四日の大学分科会に審議のまとめとして提出される。大学分科会で承認が得られれば「高等教育の将来像」にも盛り込む予定だ。

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