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記事2004年9月3日 1946号 (6面) 
ユニーク教育 (133) ―― 鳥取敬愛高等学校
15年度から普通科、特別進学を共学化
女子教育の伝統を継承
 鳥取敬愛高等学校(尾形束校長、鳥取県鳥取市)は、平成十七年に創立百周年を迎える。明治三十八年、「人格の完成、婦徳の涵養に努め、自主的精神に富める心身の健やかな国民を育成する」を建学の精神に掲げ、鳥取裁縫女学校として設立された。
 平成十五年四月から「鳥取敬愛高等学校」と改称するとともに、普通科の特別進学コースの共学化を実現した。校名には「人を敬い人から敬われる 人を愛し人から愛される そんな人間(生徒)であってほしい」という、同校の願いが込められている。
 「本校の一層の発展を目指し、特別進学コースについてのみ共学化に踏み切りましたが、本来女子教育から出発しましたので、基本的には女子教育の伝統を継承していきたいと思います」と、尾形校長は女子教育の重要性を指摘する。
 「個性を伸ばし、自立の精神を育てる 豊かな感性と知性を育てる 思いやりと礼節を重んじる心を育てる」を教育方針としている。
 この教育方針に基づき、同校では、自分の目標に向かって意欲的に頑張ることのできる、やる気のある生徒を歓迎している。大学などへの進学のための勉強をしたい生徒はもちろんのこと、幅広い教養や礼儀などを習得し、就職して実社会で活躍したい、という生徒に対してもきめ細かいサポートを行っている。「本校を卒業してよかった、と言ってもらえるような学校になりたい」と尾形校長。この学校の思いに応えて、就職先での卒業生の礼儀正しさやマナーのよさなどに対する評判はいい。在学中に教養や礼儀作法を身につけたことが、大きく影響しているといえる。就職を希望する生徒の就職率のよさは伝統的なものだ。
 同校は普通科と生活教養科を有し、このうち普通科は特別進学コースと普通コースに分かれる。普通科特別進学コース(男女共学)は、国公立大学および著名私立大学への現役合格を目指す。少人数での八限授業や学習合宿を通し徹底的に指導するのが、このコースの特徴だ。二年から生徒の希望を考慮し、文系と理系にクラス編成する。
 同普通コースは大学、短期大学、専門学校への進学および就職と、幅広い進路に対応できる。
 生活教養科は食物・被服・育児・介護など家庭科科目について生活技術の習得を目指す。調理実習、被服製作、看護実習などの体験学習を通して、問題解決力や実践力を養うのが特徴だ。礼儀作法、茶道や華道の履修も含まれており、伝統文化を学び、技を磨き、豊かな教養を身につけることが中心となる。
 「本校は目先の教育改革は行いません。今は教育の質を高めることが大事です」と、尾形校長は言い切る。


華道をはじめ礼儀作法の習得を目指す

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