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記事2004年9月23日 1948号 (1面) 
私学代表一万人、国会議員11月5日大会に結集へ
私学への国庫補助堅持
日私中高連、日私小連全日私幼連が大会決議
国の教育に対する責任明確に 国民の教育を第一に改革を
 三位一体の改革の中で、全国知事会など地方六団体が国の私学助成廃止を政府に提言したことを受けて、日本私立中学高等学校連合会(田村哲夫会長=渋谷教育学園理事長)、日本私立小学校連合会(平野吉三会長=啓明学園理事長)、全日本私立幼稚園連合会(三浦貞子会長=白ゆり幼稚園長)の私学三団体は、九月二十二日、東京・千代田区の東京都日比谷公会堂に二千三百人の教職員や保護者を集め、「私立高等学校等に対する国庫補助制度の堅持を求める緊急全国大会」を開催した。

 当日は与党・自由民主党の教育問題に関心の高い国会議員約四十人、議員秘書約四十人が出席した。堀越克明中高連常任顧問の開会の辞に続いてあいさつに立った田村会長は、三位一体の改革が、垢(あか)などがたまり具合の悪くなった点とともに将来の日本を担う教育の問題も一緒に洗い流そうとしている点については性急で誤りと指摘。また地方六団体がまとめた国庫補助負担金改革案が子供に関わる補助金等のほとんどを廃止、高齢者に関わる補助金等についてはほとんど手をつけないでいる点については、「子供を大事にすることは、未来に関わって大事なこと」とし、私学に関する国庫補助の重要性を改めて強調。そのうえでこの日の全国大会を皮切りに今後一カ月半にわたり私学の国庫補助の必要性などを社会に強く訴えていく考えを明らかにした。中高連など私学団体は十一月五日、日本武道館で改めて一万人規模の国庫補助の堅持を求める全国大会を開催することにしている。
 この日、来賓として出席した河村建夫文部科学大臣は、三位一体の改革による税源移譲で不足となる財源を埋めるものとして知事の期待が高い地方交付税に関しては、「交付税制度は破綻をきたしている」として、国庫補助のような安定した財源は期待できない点を強調。また国庫補助の廃止で保護者の負担する教育費の公私間格差等がさらに拡大、機会均等や多様な教育機会を損う結果となることを指摘、国庫補助の堅持に取り組んでいく考えを強調した。
 また保利耕輔・自民党文教制度調査会長は、仮に国の私立高等学校等経常費助成費補助金が廃止となり私立学校振興助成法を改正するにしても、国会議員が首を縦に振らなければその改革が実現しないこと、同法の目的が知事会の一言で壊されていいのかとし、今回の三位一体の改革の進め方に強い不満を表明した。さらに国庫補助存続を求める世論を沸き起こすよう参加者に一層の奮起を促した。町村信孝・自民党総務局長は、「政府の予算案を自民党が否決しなくてはいけないといった極端な事態に至るかもしれないという深刻で重要な事態」としたうえで、「私学に関する部分については、小泉さんにダメだとはっきり申し上げたい」と国庫補助堅持に努力していく考えを強調した。このほか父母を代表して青木伸子さんが、国に引き続き教育に対する責任を明確にしていくよう求め、また最後に私立高校等に対する国庫補助制度の堅持を求める「緊急決議」が出席者全員で採択され、塩谷立自民党文部科学部会長に手渡された。

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