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記事2004年9月23日 1948号 (1面) 
義務教育費国庫負担堅持を
公立関係22団体が全国集会
 義務教育費国庫負担制度の堅持を求める全国集会が九月十七日、東京・千代田区の日比谷公園大音楽堂で開催された。
 この大会は、政府が進める「三位一体の改革」の中で地方六団体が義務教育費国庫負担金のうち中学校分(約八千五百億円)の廃止・税源移譲を求めていることに反発、教育長や校長、教員、学校栄養職員、事務職員ら公立学校関係二十二団体が与野党国会議員らに義務教育費国庫負担制度の堅持を求めたもの。
 この日の全国集会には河村建夫文部科学大臣、遠山敦子前文科相のほか、文相経験者を含め約三十人の国会議員、約三十人の議員秘書らが出席した。初めに主催団体を代表して藤崎武利・全日本中学校長会長があいさつし、「地方分権は必要だが、義務教育はだれでもどこでも一定水準の教育が受けられなくてはいけない。地方六団体の改革案は残念だ。今後に禍根を残す」と義務教育の危機を訴えた。また河村文科相は「国庫負担金廃止、税源移譲でうまくやれるのか。そうではない。交付税不足で教育費を削減する方向に進んでいる。教育に知事が熱意を持っていても税源は来ない。憲法違反と言っていい方向に向かっている」とし、さらに昨年の三大臣合意(閣議決定)で義務教育費国庫負担の問題は十八年度までに検討することになっているものの、十六年度で早くも方向づけがされようとしていることに強い不満を表明した。このほか地方分権論議に参加した評論家の樋口恵子さんは「地方分権論議でも義務教育と生活保護は例外になっていた。この問題は決着済みと思っていた。なぜ義務教育費国庫負担(が廃止)なのか。それは子供に選挙権がないからだ」と地方六団体の改革案が子供関連の負担金補助金の廃止を多く求めている理由を説明した。
 最後に決議文を採択、参加者全員で国庫負担金堅持への努力を誓い合った。

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