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記事2004年7月3日 1939号 (9面) 
新校長インタビュー (106) ―― 攻玉社中学・高等学校
校長 菊池 正仁氏
質の高い授業を実施
学力伸長と人間力の向上に力を


攻玉社は文久三年(一八六三年)、西洋近代の数学、航海術、測量術に秀でた蘭学者である近藤真琴によって創立された。建学の精神として「攻玉」(他山の石を以って玉を攻(みが)く)を掲げる。
 攻玉社中学・高等学校(東京都品川区)の菊池正仁校長は「建学の精神『攻玉』について、事あるたびに生徒によく話しています。生徒はよくこの言葉の意味を理解しています」と話す。帰国生を対象とした国際学級があるのも、創立者の精神が受け継がれている表れだ。
 菊池校長は中学高校の六年間の教育を通して、学力の伸長とともに、人間としても大きく成長することの必要性を強調する。
 同校では国語・算数・社会・理科の四科目入試のほかに、国語または算数の一科目入試を実施している。
 「一科目だけできればいいという趣旨ではありません。入学してから伸びる可能性の高い子供を判断できるからです」と一科目入試の理由を語る。
 五年間でほぼ本来のカリキュラムを修了し、最後の一年間は大学入試へ向けての態勢を整える。同校独自の試みとして中学三年生には卒業研究を課している。自分でテーマを決めて、調査・研究し、発表するものだ。この時期に一つのテーマについて考えることは、将来、社会に出てから役に立つと考えるからだ。
 人間として大きく成長させること、「人間力を高める」(菊池校長)ためにさまざまな試みが行われている。菊池校長は生徒一人ひとりに対して、「学級日誌」にコメントを書いている。これを通して、生徒一人ひとりの成長を感じているという。
 「生徒の考えを分かるにはよい試みだと思います。私が生徒一人ひとりに向き合える場であるので、大切にしています」
 今後の目標として、@質の高い授業を行うことA海外の大学も視野に入れた、幅の広い進路に対応するために個々の大学等の特色を把握することB生徒の心のケアをしっかりすることを挙げる。
 「あらゆる面で学校の質を高めることによって、保護者や地域の方々の期待に応えることができると思います」
 菊池校長は理科が専門で、日本理化学協会の会長も務める。

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