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記事2004年6月3日 1935号 (3面) 
新校長インタビュー (103) ―― 藤村女子中学・高等学校
校長 江原 美規子氏
知、徳、体育の涵養
世界に羽ばたく人材育成


 「基礎・基本とは知育ばかりではなく、本来、徳育、体育の面についてもいえることで、トータルで考えています」と強調するのは、江原美規子校長(藤村女子中学・高等学校、東京都武蔵野市)だ。
 同校は女子教育、特に体操教育の先駆者、藤村トヨ氏により、昭和七年東京女子体育大学の姉妹校として設立された。建学の精神を「女子の心身の育成と徹底した徳性の涵養」と掲げる。
 「本校は建学の精神の下に、知・徳・体のバランスの取れた生徒の育成を目指すとともに、世界に羽ばたく人材育成を教育目標にしております」
 世界に羽ばたく人材を育成するために、高校では文理、体育の二つのコースを設けている。
 文理コースでは、海外語学研修や海外修学旅行を実施、体験学習を重視し、知育の面での基礎・基本の徹底は、二期制授業の下、四十五分七時間授業で基礎教科では到達度別学習指導を導入、土曜日には課外授業、補習授業を実施しているところに表れている。
 「藤村トヨ先生はバランスの取れた人間性を重視し、心身の健康を維持するためには、右脳(体育)教育が基本であると考えました。今のような社会だからこそ、その建学の精神が大事だと思うのです」
 江原校長は建学の精神の重みを説く。この精神は現在でも脈々と受け継がれており、成果は毎年表れている。
 器械体操、シンクロナイズドスイミング、高飛び込みはアテネオリンピックの代表選手(卒業生も含む)に選ばれ、バスケットボール、新体操、ソフトボール、フェンシング、器械体操、柔道などは関東大会に出場を果たしている。
 「大学を卒業する時にどのような人間に成長しているか、このことは中学高校六年間でどのような教育をしたかで本校が評価されると思います」
 同校の教職員にも、すべての面で基礎・基本を重視する方針は受け継がれている。江原校長は教職員については、厳しい指導の中にも教育愛をもって同校の求める生徒像の完成に日々協働の精神をもって指導にあたり、期待はあっても不安はないという。
 同校のテーマは「躍動する藤村、未来はこの手に」。
 「生徒自らの力で未来を切り開いていく骨太の生徒を育てていきたい。二十一世紀に期待される学校、生徒・保護者が本校で学びたいという学校を目指します」と、江原校長は熱い口調で語った。

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