こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2004年6月13日号二ュース >> VIEW

記事2004年6月13日 1936号 (2面) 
中央教育審議会の審議動向
大検に代わる新試験
幅広く高卒と同様扱われる
高校卒業程度認定試験の名称で
【中教審が総会】

 中央教育審議会(会長=鳥居泰彦・日本私立学校振興・共済事業団理事長)は、六月八日、都内の会館で第四十回総会を開き、教育制度分科会から提出された大学入学資格検定のあり方に関する中間報告案を審議し、基本的に了承した。
 この日の委員の意見に沿って一部文言を整理した後、河村建夫文部科学大臣に提出される。
 今回の中間報告案では、現行の大検に代わる新試験は、これまで通り大学入学資格を付与するという側面と同時に、新試験の合格が各種職業資格や採用試験でも幅広く高校卒業と同様に扱われるよう、高卒程度の学力を認定する試験との性格を明確化していく。そのため名称については、「高等学校卒業程度認定試験」とする。
 この日の総会では、高校団体代表から程度との表現ながら、高校卒業認定をペーパーテストだけで行うことへの疑問が投げかけられたが、教育制度分科会の下の大学入学資格検定部会でこうした疑問等については時間をかけて議論してきたこととその概要が委員から説明された。大半の委員は「高等学校卒業程度認定試験」との名称に不都合はないとの考えを示した。またこの試験は高校中退者等にやり直しの機会を提供するセーフティーネットとして機能するもので、あくまでバイパスであること、高校教育を大きく変えるものではなく、アメリカでも高校に実際通うことで得られる「ハイスクール・カルチャー」が重要視されていることなどが、委員や事務局(文部科学省)から説明された。
 さらに後期中等教育のあり方については生涯学習社会を迎え今後、抜本的な検討が必要なこと、中間報告の名称に関しても高校中途退学者に再度チャレンジする機会を与えるものであり、高校教育に対して新試験はあくまでバイパスであることが分かるような名称に改めるべきだとの意見が出され、鳥居会長も検討を約束した。
 このほか新試験の概要は次の通り。▽試験科目(必受験)=国語、地理歴史、公民、数学、理科、英語▽受験対象者=現行に加えて高校全日制の生徒の受験を認める▽年齢制限=十八歳以前に必要教科すべて合格しても満十八歳に達した翌日まで大検の合格にはならないという年齢制限は、そのまま継続される。▽受験科目の免除=高校等で単位を修得した者、技能審査に合格した者に関しては引き続き科目の免除を行う。

記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞