四條畷学園短期大学（河崎利夫学長）は平成十六年四月からライフデザイン総合学科をスタートさせた。同学園は大正十五年の創立から七十八年の歴史を持ち、「次代を育てる女性教育」を標榜して幼稚園、小、中、高校を併設する大阪府下の名門校。新しい学科は教養学科と国際コミュニケーション学科を統合し発展させ、新しい時代に求められるさまざまな専門的職業教育プログラムと人間性や知性を磨く教育プログラムを大幅に追加して誕生した。
　履修方法の特色は、従来の学科やコースの枠を外すことで、学生一人ひとりが自分の未来の夢の実現に向けて幅広い科目の中から選択し独自のカリキュラムを組み立てられることである。それによって自分の人生をデザインするというのが「ライフデザイン」という学科名の由来である。
　百四十の授業科目がある幅広い学問を、まず分野ごとに「エリア」という名で区別している。基礎教育フィールドは「共通」「人文教養」「くらしと健康」の三エリア、専門教育フィールドでは「ライフ」「医療福祉」「心理学」「情報ネットワーク」「国際コミュニケーション」「ステップアップ（四年制大学編入）」の六エリア、社会人リフレッシュ教育フィールドでは「検定支援」と「生涯学習」の二エリア、合計十一のエリアがある。希望のエリアを選んで学べば二年間ですくなくとも三〜四の資格や免許、称号が取得できるようになっている。
　エリアの下にはさらに資格、免許、称号取得に必要な「授業科目群」が「ユニット」という名で配置されている。例えば「ライフ」エリアの中に「フードコーディネーター」というユニットがあり、食品産業やレストランへ就職をめざす人に有利なフードコーディネーター三級などの資格取得に必要な科目が過不足なく選択できる。このユニットでの開講科目は食の歴史と文化、食の安全性、食品材料の基礎知識、食空間のデザインと演出、テーブルコーディネート実習、フードマネージメント・メニュープランニング、調理実習�T・�U、製菓実習�T・�Uなど。この資格取得にはこのユニットという対応関係が分かりやすく、「一科目足りなかったため免許が取得できなかった」というミスが起こることも防げる。病院の医療秘書、薬局の一般事務をめざす人は、「医療福祉」エリアの中から「医療秘書実務士」ユニットを選べば、社会福祉概論、介護概論、公衆衛生学、解剖生理学、薬理学、医療秘書実務、医療事務総論・同演習、病院実習、診療報酬請求事務演習、医療事務コンピュータ�T・�Uなどがまとまって用意されている。
　福祉施設の介護保険事務、介護事業の一般事務、ホームヘルパーなどをめざす人は、「医療福祉」エリアの中から「介護保険実務士」ユニットを選べば介護法、介護概論、リハビリテーション概論、社会福祉概論、公衆衛生学、発達心理学、医療事務演習などをまとめて学べる。
　同様にパソコンのスペシャリストをめざすなら「情報ネットワーク」エリアから「上級情報処理士」ユニット、企業の営業マンとして活躍したい人には「プレゼンテーション実務士」ユニットが企業ニーズが高くてお薦めといったところである。二年間で必修科目（基礎教育の共通エリア六科目）のほかに三〜四のユニットを選択することが可能である。この必修科目の中の「モチベーション演習」では各教員が学生の専属のアドバイザーを務める。人生の生き方や進路選択について悩む学生に対して、教員一人が担当する学生は十人程度という手厚い指導で、進路選択に役立つ助言を与える。
　新学科の就職状況については、母体となった教養学科と国際コミュニケーション学科の就職率が例年約九○％を維持してきた実績を引き続き維持することは間違いないと大学当局では見ている。