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記事2004年5月23日 1933号 (3面) 
短期大学パイオニア (7) ―― 別府大学短期大学部
新タイプの地域総合科学科
学生自前の特製カリキュラム
多様な進路選択の道

 別府大学短期大学部はこれまで食物栄養科と初等教育科を開設して、栄養士や教職者の養成に実績をあげてきたが、平成十六年度から新しいタイプの地域総合科学科を新設し、この学科の専門科目の中からの選択履修カリキュラムを自分の好みに応じて組み立てることによって、多様な進路選択への道を開いた。
 開講科目は「共通科目」「専門科目」「特別講座」に分かれている。専門科目はさらにコア科目(必修十単位)とそれ以外の専門科目群に分かれ、特別講座には検定試験対策、編入学対策、公務員対策のための講座を設けている。
 開講科目は相互に関連の深いものを「ユニット」(四科目六単位を原則)という科目群にまとめており、ビジネス系、情報系、観光系、福祉系、言語コミュニケーション系、司書・教職などのユニットがある。学生は自分の目標に合わせて、ユニット単位で独自の履修選択の組み合わせをつくる。いわば従来のカリキュラムの定食コース方式からバイキング方式へ変更し、学生の多様なニーズに応えようとした履修形態といえる。学生が選択する時には教員が個々人に応じて的確なアドバイスで履修指導をしている。
 例えば情報サービス業への就職をめざす場合には、情報系ユニットでコンピューティング、データベース入門、マルチメディア、システム設計などを学ぶとともに、ビジネス系ユニットで簿記・会計、プレゼンテーション、販売実務なども合わせて履修する。旅行・観光業をめざすものは観光系ユニットで観光地域計画、国内旅行業務、異文化理解、海外旅行業務などと言語コミュニケーション系ユニットでコミュニカティブ・イングリッシュなどを合わせ履修するといった具合。ホームヘルパーをめざす場合には、福祉系ユニットで社会福祉論、在宅介護論、高齢障害者の理解、心理と福祉、医療事務、介護と食事・住居などの各理論と実習、介護保険事務などを並行して履修する。
 この学科で取得できる資格は、司書、司書教諭、中学教諭二種免許(英語)、ホームヘルパー一級、同二級、観光士、介護保険事務士、医療管理士、情報処理士、上級情報処理士、ビジネス実務士、上級ビジネス実務士などがある。特にホームヘルパー一級は現場のサービス提供責任者(主任者)として期待されているもので、通常は福祉現場で一年以上の実務経験が必要だが、別府大学短期大学部では福祉インターンシップなどの多彩な関連科目を用意することで一・二級の資格が取得できるようになっている。一つの資格にとどまらず、その資格等に関連する他の科目も履修できるのも強みである。地域の社会人が専門知識の修得を希望する場合にも、自分のライフスタイルに合わせて通常二年の修学期間を超えて学び、卒業に必要な六十二単位を取得した段階で卒業できる「長期履修修学生」のための制度や外国人留学生に向けた独自カリキュラムも用意されている。



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