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記事2004年5月23日 1933号 (2面) 
私大連盟就職委 レポートを発表
キャリア形成支援必要
インターンシップは拡大へ
 日本私立大学連盟の就職委員会(委員長=神谷雄績・同志社大学就職部長)は、低年次対象のカリキュラム配置など、大学におけるキャリア形成の重要性を指摘する審議の結果をまとめて発表した。あわせて、日本経済団体連合会(会長=奥田碩・トヨタ自動車会長)の「新規学卒者採用選考に関する企業の倫理憲章」を高く評価した。
 同連盟は「キャリア形成支援に向けて―学生の豊かな人生のために―」の中で、就職しても三年以内に三割が退職したりフリーターなどが増えている実態の改善が必要とされる今、大学における学生へのキャリア支援の必要性がクローズアップされていると指摘した。
 これまで大学の主要な業務は教育研究であり、キャリア支援は付随的業務というのが一般理解であったが、長い人生を豊かにするためには(1)次代を担う有為・有能な人材を育成すること(2)学生の可能性・能力を最大限に引き出すこと(3)学生が自らの考えで判断・行動し自己実現を果たすとともに高等教育修了者として社会に貢献する人間として社会に出て行くことを支援すること――を目的にしたキャリア形成支援は、大学が行うべき本来の業務であると明言した。
 具体的には、低年次からキャリア形成支援のカリキュラムを配置する工夫などが求められているとしている。また、現在キャリア形成支援の一環として重要視されているインターンシップについては、今後も拡大する意向の大学が多数ある一方で、参加を希望する学生に対して受け入れる企業数が不十分であったり、学生が著名企業に集中してしまうなど問題があることを明らかにした。
 こうした大学の取り組みは、社会に開かれた大学教育の展開を追求する中でさらに実効性が高められるとし、日本経団連が新規学卒者の採用につき@正常な学校教育と学習確保A採用選考活動早期開始の自粛B公平・公正な採用の推進C情報公開の徹底D採用内定日を十月一日以降とする――などとした共同宣言を例に挙げ、人材育成に向けて社会的に協働することが必須の課題であり、より具体的な内容を持つプログラムを広汎に実現していく条件が整ってきているとの見方を示した。

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