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記事2004年5月23日 1933号 (9面) 
新校長インタビュー (102) ―― 跡見学園中学・高等学校
校長 平井 毅氏
婦徳の涵養 情操教育に力を
茶道、華道、筝曲など授業に


 跡見学園中学・高等学校の校長に四月一日、平井毅氏が就任した。
 「本校は創立以来、学祖である跡見花蹊氏の掲げた理想に則(のっと)り、日本女性の婦徳の涵養(かんよう)に努め、情操教育に力を注いでまいりました」と、平井校長は同校の基本精神を語る。創立当初から筝曲(そうきょく)、茶道、華道、絵画などを授業の中に取り入れ、特に情操面の発達に成果を上げてきた。
 この精神は数多くの学校行事を通しても受け継がれている。「本物に触れ、自分で確認し、豊かな心を育てる教育として実践することで、人間形成に役立っている」(平井校長)。
 中学一年では、七月に三泊四日で千葉県勝浦市・鵜原で自然教室を、二年は六月に三泊四日で奥日光で自然教室を開く。同じく六月に西臨海水族園で校外授業を行っている。九月広島に二泊三日で修学旅行、ここでは平和学習を行う。
 高校一年では長野県・北軽井沢でオリエンテーション合宿を行い、これからの高校生活の三年間の計画を立てる。ここでは中学三年で行った「職業調べ」でまとめた結果を発表する。この「職業調べ」は各人の興味のある二、三の職業を調べるもので、実際に現場で調べた結果を発表し合っている。二年では九月に京都・奈良に研修旅行に行き、日本古来の芸術・文化を学ぶ。
 そのほか、伝統行事である音楽鑑賞会では海外から著名な芸術家を招いて、本物の芸術に接する。
 「就職先などで、跡見の卒業生は柔軟性があり、機転が利き、対応能力に優れていると、評価されています。跡見の教育が本物に触れ、体験を重視した成果だととらえています」
 平成十七年度から学校週六日制にする。今まで以上に中学では基礎力を丁寧に指導し、高校では一人ひとりの受験に必要な科目や演習の授業数を増やす。十七年度から採用する新カリキュラムは、高校二年から生徒の選択肢の幅を大きくし、大学入試の多様性、進路の変更、および多岐にわたる進路に柔軟に対応できるようにする。
 来年一月に創立百三十年を迎える。平井校長は昭和三十九年に同校に赴任、バスケットボール部の顧問を務め、インターハイ出場も果たしている。

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