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記事2004年4月13日 1930号 (3面) 
英語と理数の16年度研究開発高決定
文部科学省が指定
スーパー・イングリッシュランゲージ・ハイスクール 私立では14校指定
スーパーサイエンスハイスクール 私立は全体の一割弱
 文部科学省はこのほど、平成十六年度の「スーパー・イングリシュ・ランゲージ・ハイスクール」と「スーパーサイエンスハイスクール」の指定校を発表した。これらの高校は一般の高校とは異なり、学習指導要領に縛られず英語教育や理数教育にウエートをかけた教育課程の研究開発を行う。研究開発が委託される期間は三年間。研究成果は高校教育全体の教育課程の改善に活用される。それによると、「スーパー・イングリシュ・ランゲージ・ハイスクール」に関しては、公立高校から五十一件、私立高校から四十七件の申請があったが、そのうち公立で二十一校、私立で十四校が指定を受けた。
 この制度が始まった平成十四年度、翌十五年度を合わせて、これまでに「スーパー・イングリシュ・ランゲージ・ハイスクール」は五十件(国立一、公立三十八、私立十一)五十三校が指定されていたが、今回の指定で指定校は八十五件、八十八校となった。そのうち私立高校の指定総数は、二十五件(校)。
 十六年度に指定された私立の「スーパー・イングリシュ・ランゲージ・ハイスクール」と研究の内容は次の通り。

 ▽盛岡白百合学園高校(岩手県)=クリティカルシンキングに重点を置いた三年間の英語カリキュラムの作成、教材開発、評価基準設定の研究等。
 ▽東北高校(宮城県)=国際社会で意見を述べることのできる人材育成を目的にした三年間を通じたディスカッションプログラムの開発、個のアイデンティティー確立等。
 ▽桜の聖母学院高校(福島県)=言語能力発達モデルに基づいた小・中・高校一貫教育のカリキュラムの作成等。
 ▽白鳳大学足利高校(栃木県)=Problem―Based Learningの段階別カリキュラムの開発等。
 ▽富山国際大学付属高校(富山県)=英語を問題解決の道具として使えるようになるためのプロジェクトベースラーニングを用いたカリキュラム、指導方法の研究開発等。
 ▽北陸学院高校(石川県)=リーディング・ストラテジーを向上させるための多読のプログラムの構築(リーディングマラソン)、傾向把握方法の研究、指導方法の研究等。
 ▽高山西高校(岐阜県)=ディベートの段階別指導プログラムおよびテキストの開発等。
 ▽滋賀学園高校(滋賀県)=国語科との連携による徹底した音読指導による表現力育成のためのプログラム開発等。
 ▽関西学院高等部(兵庫県)=言語コミュニケーションコースにおけるEnglish Intensiveの授業のためのシラバスの作成等。
 ▽帝塚山高校(奈良県)=融合型授業による理解力の育成等。
 ▽岡山学芸館高校(岡山県)=留学前後を含めた三年間のプレゼンテーション能力育成のカリキュラム開発等。
 ▽明徳義塾高校(高知県)=スピーキング力を中心とした、より説得力のある英語表現能力を育成するための、ドラマの手法を活用したカリキュラム及び指導法の研究等。
 ▽宮崎日本大学高校(宮崎県)=一分間に百語を速聴できるリスニング能力を育成する集中トレーニング方策の研究等。
 ▽鹿児島情報高校(鹿児島県)=英語能力をバランスよく向上させるためのCALLを活用したカリキュラムの開発等。
 一方、「スーパーサイエンスハイスクール」に関しては、四十七校(公立三十五校、私立十一校、国立一校)から申請があり、二十校が指定を受けた。このうち十八校が公立高校、二校が私立高校。十六年度の指定を含めて「スーパーサイエンスハイスクール」は、国公私立で七十二校となった。私立の指定校は十四年度、十五年度指定を含め六校。新しく指定の私立高校と研究内容は次の通り。
 ▽芝浦工業大学柏高校(千葉県)=科学分野の動機付け、スキル支援、課外活動、中高一貫教育、高大連携、研究開発支援の六系統のプログラムで構成し、それぞれの中に目的別の二十二のプログラムを設定、すでに実施している十一プログラムに加えて、先端授業、創造工学授業、大学基礎講座、大学先取り授業(単位取得)、科学英語講座、コミュニケーション講座などのプログラムを開発し科学教育を推進するプロジェクトを構築する等。
 ▽東海大学付属高輪台高校(東京都)=科学技術を身近に感じ、興味関心と学習意欲を高める「数学の楽しさ」「科学技術・理科の魅力」を実感させ学習意欲と理工系分野への進学意欲を高め、理工系志望者の増加を図るための手法の研究等。

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