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記事2004年4月13日 1930号 (8面) 
ユニーク教育 (128) ―― 大阪産業大学附属中学・高等学校
偉大なる平凡人たれ
普通科4コース、国際科2コース

牧本校長

 大阪産業大学附属中学・高等学校(牧本英男校長、大阪市城東区)は「多くのカリキュラムが複合しているような学校」(鈴木博校長補佐 兼 高校教頭)だ。同校は「偉大なる平凡人たれ」を建学の精神とし、昭和三年に設立され、大阪産業大学(大阪府大東市)の姉妹校として同大学への進学をするとともに、スポーツや国際交流を通して充実した高校生活を送ることができる特色あるコースが設置されている。
 中学では、七時間目の重点科目の個別指導を含めて、週三十七時間編成を組み、三年間の内容を二年間で修了している。
 普通科と国際科には、進学を意識するとともに選択科目を多くして、学ぶことに喜びを感じ、個性豊かな人間に育ってほしいという思いが込められている。高校の普通科・特進一貫コース(男女共学)は、内部進学者のみを対象に、国公立および難関私立大学への進学を目指す。中学は今年で開校以来四年目を迎え、高校は内部進学者が一期生となる。中学での週三十九時間のカリキュラムをこなした上で、高校では国語・社会・数学・理科・英語の五教科を満遍なく学習し、二年までに高校のすべての教科内容を学ぶ。三年では演習形式で着実に学力を身につける。
 普通科・特進コース(男女共学)はIとIIに分かれ、Iでは国公立および難関私立大学への進学を希望する生徒を対象に、早朝テストの実施、平日八時間授業の後に学年に応じて補習科目を設定し、きめ細かな学習指導体制を行っている。IIは難関私立大学へ的を絞った特別カリキュラムを組んでいる。IIも早朝テストを実施し、平日は七時間授業の後に個別指導等をする一方で、希望者はクラブ活動にも参加できるコースだ。
 普通科・進学コース(男子)は附属高校の特色を生かしながら、大阪産業大学への進学を目指し、二年次には文系列と理系列に分かれる。多くの生徒はクラブ活動にも所属し、心と身体を鍛えながら学力を伸長させ、バランスの取れた学校生活を送っている。
 普通科・スポーツコース(男子)には二年次十一単位、三年次十二単位の合計二十三単位の専門教科がある。このコースは体育理論を修得するとともに、運動能力を伸長し、スポーツを生かして大学進学を目指す。
 国際科・特進コース(男女共学)は英語に重点を置いたカリキュラムによって難関大学外国語学部や文系学部への進学を、国際科・進学コース(男女共学)も外国語学部や文系学部への進学を目指す。
 「本当のゆとり教育は基礎学力を十分身につけた場合にいえることで、基礎学力が不十分の場合では考えられないことです」(鈴木教頭)
 この基本的な考えに基づき、土曜日も同校では授業を実施している。また、進学に対しては学校挙げて、勉強する環境を整えている姿勢がうかがえる。年間授業日数を多く確保していることもこんな考えからだ。
 生徒一人ひとりに対して学習意欲を培うと同時に、人として健やかに生きていくためにできるだけ生徒の考えを尊重している。同校のアメリカンフットボールは全国大会レベルの力を持っているが、障害を持った生徒がアメリカンフットボールを行う場合も温かく受け入れている。「その生徒から多くのことを学び、勇気を与えてもらいました」と鈴木教頭は語る。
 入試対策室を昨年、設けたが一年目で生徒募集については結果を出した。「保護者に役に立つ情報を発信しなければなりません。私学ならではの特色を出す学校であり続けたいと思っています」と、鈴木教頭は意欲を示す。


教室にはテレビを2台ずつ設置

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