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記事2004年3月3日 1926号 (2面) 
特区での規制特例措置など決める 構造改革特区推進本部
インターネット等大学の設置基準緩和
幼保施設共用化で園舎面積軽減
専修学校 校舎基準も弾力化
 構造改革特別区域推進本部(本部長=小泉純一郎首相)は、二月二十日、昨年十一月に地方公共団体や民間事業者等から寄せられた規制改革に関する三百三十八件の提案(第四次)のうち、十七の提案について特区限定で特例措置を講じること、三十三の提案については規制改革を全国的に実施することを決めた。

 この中で文部科学省関係の、特区限定で行う特例措置は、@特別免許状の授与権者として市町村教育委員会を追加するA保育所と合同保育を行う場合の幼稚園の園舎面積で算定方法に特例を設けるBインターネット等のみを用いて授業を行う大学・大学院に係る設置基準の緩和――の三項目。
 @の、特別免許状の授与権者に市町村教育委員会を加えることは、当該市町村が給与等を負担しその教育委員会が任命しようとする教員や、市町村の特区で学校の設置主体となった株式会社やNPO法人が雇用しようとする教員について市町村による特別免許状授与を可能とするもの。地域の特性に応じた特色ある教育実施が目的。
 Aは、特例の認定を受けて幼稚園と保育所の保育室を共用化する場合、教育・保育を行う上で支障がなければ幼稚園の園舎面積の算定方法に共用部分を考慮した特例を設けるというもの。
 Bは、インターネット等のみを利用することで面接授業によらずに授業を行う通信制の大学・大学院について、教育・研究に支障がない範囲で校舎等施設の特例を設けるもの。詳細は今後、省令改正等で定められる。
 一方、全国的に規制改革するのは、@高等学校通信教育規程の弾力化A専修学校の校舎面積基準の弾力化B「学校給食衛生管理の基準」でクックチルシステムが導入可能であることの明確化C学校の職員の健康診断の期日に関する基準の弾力化――の四項目。
 このうち@は、高校通信教育課程の設置基準を緩和するもの。
 Aの専修学校の校舎面積基準の弾力化は、収容定員に応じて加算される基準面積について履修形態等特別な事情があり、教育上も支障がない場合は基準面積を減ずるというもの。インターンシップを多用するなど校舎の使用が他の学校より少ない学校などを想定したもので、平成十七年度設置申請に間に合うよう省令を改正する予定。
 Bは、学校の設置者の判断で学校給食にクックチルシステム(加熱調理した食品を急速冷却して保存し、必要な特に再加熱する)を導入することが可能であることを明確化する。Cは、現在学校の職員に関しては六月三十日までに行うとされている健康診断に関して実施日を設置者の判断に任せること。
 このほか株式会社が主体となって設置した学校への私学助成については、引き続き実施されない方針。
 しかし第五次以降の特区提案で再び議論される見通し。
 構造改革特区の取り組みは十六年度も引き続き行われることになっており、四月以降、特区で行われている特例措置の評価が実施されることになっており、評価で弊害が生じないなどと認められれば、特区での特例措置を全国で行うことになる。規制所管省庁が全国化によって弊害が発生すると判断した場合、それを立証する責任を負う。

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